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 二泊三日の帰省は、あっという間だった。  千葉の土産といえば落花生を使用したものが大半を占めているのだが、結月も食べられて、なおかつばらまきに適したものを中心に探したところ、特産物であるびわを使用した饅頭の詰め合わせを発見して、それを買って帰ることにした。  二十四個入りが二箱。そこそこの大きさがある紙袋を左手に持ち、肩には懐かしのテニスラケットを提げて、東京行きの電車に乗った。  帰省した一日目の夜、結局、お互いに通話を切ることのないまま眠りについて、朝起きて確認した通話時間は十時間近くなっていた。晃大に続き、目を覚ました結月に『もう掛けてくんなよ』と言い捨てて通話を切られたが、その晩も晃大は電話を掛けた。ラケットが見つかったから持って帰ってきたという報告を受けたりなんかして、結局のところその日も寝落ち通話をした。  寮に帰るのが楽しみだった。不思議なことに、離れている二泊三日の間に、これまで以上に結月との距離が近づいたような気がしていた。  寮の最寄り駅に到着し、スマホを確認すると、時刻は二十時を回っていた。夕食を摂ってから実家を出たので、少し帰りが遅くなってしまった。  足早に寮へと続く道を歩きながら、今日ぐらい、「おかえり」なんて言葉をかけてくれるんじゃないかと淡い期待を抱いていた。帰ったらまず結月と会話するつもりだったが、足を踏み入れた一回ロビーにて、思いがけず、見知った人物と出くわした。 「おお、エヴァンじゃん」  と、その隣には、いつの日か見た地味なルームメイトの姿。  ――朔実……つってたっけ。  一応軽く頭を下げておくと、あちらもまた、ぺこりと頭を下げ返してきた。 「晃大……」  呟くエヴァンの右手には、晃大同様、どこかしらのお土産と思しき紙袋が提げられている。一瞬、帰省でもしていたのかと思ったが、エヴァンの地元は確か、アイルランドだか、アイスランドだか、そのあたりだったはずだ。手に持っている紙袋は、そのどちらとも思い難い、わかりやすく和のデザインをしている。 「どっか旅行でも行ってきたのか?」   ちらりと視線を向けると、朔実もまた、似たような紙袋を持っていた。まさかとは思うが、二人で一緒に……?  ふるふると、エヴァンが首を横に振った。 「旅行じゃなくて、帰省だよ。朔実の実家に、一緒に帰ったんだ」 「え、実家に?」  にわかには信じられなかった。およそ交際しているのだろうなとは思っていたが、まさかそこまでの関係になっていたとは。  いろいろと訊きたいことはあったが、すぐ隣に今カレがいる状況では少し気を遣う。察したのか、朔実が声を発した。 「じゃあエヴァン、僕、先に部屋に戻ってるね」 「え、なら俺も一緒に――」 「待ってくれエヴァン」

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