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夏季休暇明けのプレゼンの資料をまとめるために顔を出したゼミ帰り、電車の中でチャットを確認したら、数日前に知り合ったばかりの女の子からメッセージが届いていた。
『今日の夜、空いてる? いいお店見つけたから、二人で飲みにいかない?』
たしか、連れの連れの、元カノの今カレの、サークルの先輩の、バイト先の後輩、みたいな子だった気がする。よく覚えていないが、可愛い子だったのは確かだ。ちょいギャル系だったのも覚えている。
少し考えて、晃大は『ごめん、今日はパス。また連絡する』と、当たり障りのない返信をしておいた。似たような返信を、他三、四人にも返す。男連中からの飲みの誘いは、めんどいので全て放置しておいた。
最寄り駅のアナウンスが流れ、スマホを閉じて電車を降りる。一直線に寮へと続く帰路を歩いた。
木曜日の午後三時過ぎ。結月はバイトに出かけている時間なので、帰宅した部屋に人の気配はない。少なくとも六時までは帰ってこないことは把握済みだ。
やるなら今しかないと思った。ヤるなら、今しかないのだと。
明かりも灯さないままベッドに横になり、ふう……と短く息を吐く。一拍を置いて、右手を下着の中に突っ込んだ。
「ん……」
相手に失礼だから、EDが治るまで女の子と寝ないように――。美桜の言い分はもっともだったので、以降、晃大は一度もホテルに足を運んでいなかった。しかし、だとすればEDが治ったかどうかなんて、どう判断すればよいのだろう。そんなのはいうまでもなく、オナニーで試してみるほかなかった。
正直、勃たないなら勃たないで別によくない? という気持ちもあるにはある。けれど、気持ちどうこう以前に、まず本当に自分がEDなのかどうかを考え始めるとだめだった。
どうでもいい。はずなのに、気づけばちんこのことを考えている。ここ一週間、頭の中はちんこのことでいっぱいだった。こんなに苛まれるくらいだから、やっぱり自分はEDを気にしているのだろう。だったらもう、腹を括って確かめてみるほかない。ちんこのことばかり考えて日々を消化するなんて、そんな不毛なことはないのだから。
なにが悲しくて一人でこんなことを……。そんな気持ちをぐっと押し殺して、手に持ったイチモツをゆっくりと上下に扱いてみる。
「ふっ、んん……」
やばい、全然気持ちよくない。というかこの状況、女の子とするときよりもよっぽど緊張するのだが。オナニーした回数と、セックスした回数なら余裕で後者のほうが多いので、無理もないだろう。ましてや、他人とシェアしている寮の一室でオナニーだなんて、一周回ってセックス以上にふしだらな行為に思えてくる。
――いや、落ち着け俺……。リラックス、リラックスだ……。
調べてみたサイトには、若者における勃起不全の多くは、心因性のものだと書いてあった。なによりもまず、リラックスして事に及ぶのが重要なのだ。
「ふぅ……」
もう一度、深く息を吐いて精神統一を試みる。落ち着いてぎゅっと、ちんこを握る手に力を込めた。
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