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 たとえば、結月やエヴァンのように中性的な相手だったら? そんなやつそうそういないと思いつつ、SNSでサーチしてみると、意外にも綺麗な体をした男は存在した。 「うお、パイパン……」  ――は、さておき、SNSにちんこアップすんなよ。  そしてまた、なぜこのようなアカウントが凍結されずに存在しているのか甚だ疑問だ。一体どういう気持ちで自分のちんこをセルフィーして世に晒しているのだろう。普通、頼まれても嫌じゃないか。  とんだ変態がいるもんだと、冷静に分析する自分は、やはり男の体になんか興味なかったらしい。綺麗な体してるなあと思うアカウントはいくつか見つけたが、それ以上の感想は出てこなかった。 「なにやってんだか……」  SNSにチンコやらケツやらをアップするやつはどうかしているが、それを見漁って、勃起するか否かを確かめている自分も大概だ。  もうやめにしよう。明日あたり、大人しく病院に行こう。そう思い、SNSの画面を閉じかけた、そのときだった。  関連するアカウント、という項目に並ぶプロフィールの中に、一つ、気になるアイコンを見つけた。 「これ、って……」   鏡越し、控えめに服を捲り上げ、自らの上裸をセルフィーしたと思われるアイコン。控えめといっても、乳首は写っている。問題はその乳首……の、右斜め上だった。  ――この、ほくろって……。  瞬間、とくんと、体の中心が熱くなった。  どうかしている。こんなのは、どうかしている。けれど、そのほくろは……そのほくろがついている位置は……以前、雷の日に見てしまった結月のそれとほぼ同じだった。  震える手で、アカウントをタップする。 『169 55 18 凹 歳が近い人がいいです』  呪文のようなプロフィールだが、いくつかアカウントを見ているうちに、どの数字がなにを示しているのかはわかるようになっていた。身長、体重、年齢――そして、セックスのポジション。アカウントの彼は、どうやら抱かれたい派らしい。  ほくろに加え、体つきや年齢も結月と似ていた。しかし似ているだけであって、結月本人ではない。厳密にいえば、結月のほくろはもう少し上のほうについていたはずだし、歳は十八ではなく十九だ。身長も、もう少し低かった気がする。肝心の顔が確認できないのが残念だが、確認できたところで、きっとがっかりするだけだろう。結月ほど容姿の整った男が、そう簡単に見つかるわけがないのだから。  これは、結月じゃない。結月じゃない、けれど……。  ――結月の代わり、くらいなら……。  過った下衆な発想に、我ながらぎょっとした。慌ててSNSの画面を閉じ、スマホを枕元に置いて深呼吸する。  自分は今、血迷っている。自覚しているのだから、冷静になるべきだ。  あのアイコンを見た瞬間、つい反応してしまった中心が、今もわずかに熱を持っている。刺激を与えれば、今度こそ勃起できるかもしれない。けれど、それだけは……それだけは、なにがあってもしたくなかった。それをした瞬間、自分は救いようのないクズになってしまう。そんな気がして、ならなかった。

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