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 ふにふにと柔らかそうなほっぺが、林檎みたいに赤くなった。  なにも、セックスを婉曲的に表現したわけではない。言葉通り、まずは結月が、ほんの少しでも自分との接触に興味を持ってくれているのかを知りたかった。  それから、ちょっとびっくりするくらいの時が流れた。そして気づいたときには、結月は頷いていた。目を逸らした隙に、とかではない。こちらに変化を気づかせないレベルのスローモーションで、ゆっくりと、頭の角度が下がっていっていたのだ。  ――え。……これどっち? 頷いた? それとも、俯いただけ?  まるでアハ体験のような現象だが、これを肯定と見なしてよいものか。小熊結月。どこまでも晃大を翻弄してくれる。  ――けど、二回はさすがに訊けねえし……。 「んじゃ、試しにちょっと触りっこしてみようか」  とりあえず『肯定だった』と仮定して、自身のベッドに移動した。片膝を立てて腰を下ろした状態で、ぽんぽんと正面のシーツを叩く。こないならこないで、その意思を尊重しようと思っていたが……。  そろりと、足を踏み出した結月が、言われた通りベッドに乗り上げた。 「電気はどうする? 点けたままがいい? 消す?」  ちょこんと正面に正座した結月へと、落ち着いた態度で確認を取った。基本的には流れで消すところだが、それが結月の不安を煽ってはいけない。 「……どっちでもいい」 「じゃあ、とりあえず点けたままで。恥ずかしかったら、すぐに言って」  念のため、ベッドボードに置いていたリモコンを、結月の手の届く位置に移動させた。 「結月」  呼んで、そっと結月を抱き寄せる。 「……っ」 「大丈夫、大丈夫」  すぐにはなにもしないからと、言葉で伝える代わりに優しく背中を撫でた。  結月は基礎体温が高い。そういうところも、可愛いなと思う。じっくりとその体温に浸っていると、ふっと、結月の緊張が解けるのがわかった。  抱きしめていた腕を緩め、数秒、無言で見つめ合う。ゆっくりと唇を寄せると、結月は目を瞑ってそれを受け入れた。 「ん……」  一度目は、重ねるだけのキス。二度目も。三度目も。四度目のキスをする直前、そろりと結月のシャツの中に手を滑らせた。 「あっ」  開いた口の中に、舌を挿入した。 「あっ、あっ」  お酒を飲んでいなくても、結月は敏感だった。細いウエストを擦りつつ、音を立てて舌を絡めると、くっ、くっと腰が揺れる。可愛くて、今すぐにでも一つになりたかった。 「あっ、晃大……っ、晃大、ストップ……っ」  ぐいっと胸元を押して顔を引き離され、即座に、シャツの中をまさぐっていた手も止めた。 「ん、ここまでにしとく?」  すでに晃大のちんこは勃起しかけているが、そんなのは関係ない。結月がダメだと思ったなら、そこでおしまいだ。 「ち、が……そ、じゃ、なくて……」  結月はなにやら、言いずらそうに口ごもった。

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