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「とりあえず今日は、指一本だけ受け入れられるように頑張ってみよう。それも厳しかったら、第一関節だけでもいい。おまえが安心して進められるっていうことが、一番大事なんだ」
「指、一本……」
「ん、触って確かめてみる?」
シーツの上に放り出された手に指を絡め、顔のそばへと移動させた。結月は咄嗟に頬を赤らめたが、やがて、おずおずと晃大の中指を摘んで、そっと握り込んだ。
にぎ、にぎ、と、赤ん坊のように無垢な手つきで指を包まれる。それだけで興奮しそうになる自分を必死に律しながら、晃大は低く問いかけた。
「どう? これならいけそうだなーって感じする? それとも、やっぱまだ無理っぽい?」
「ん……思ってたより、長い……」
「ああ、まあ。平均よりは、そうかも」
身長に比例して、指は長いほうだった。慣れればむしろ気に入ってもらえるはずだが、最初は少し怖いかもしれない。
「けど……太くは、ない……。ごつごつも……してない」
そういう結月の手は、白くて柔らかくてふにふにだった。そんな手に、にぎにぎなんて圧をかけられていると、妙な錯覚を起こしそうになる。
「結月」
こらえきれず、晃大は結月の手に包まれた中指をくにくにと動かした。
「なっ」
驚いた結月の手が、一瞬緩む。その際にできた隙間を利用して、根元まで握り込まれていた中指をゆっくりと引き抜いて……もう一度、奥まで挿し込んだ。
「ちょっ――」
「想像してみて。こんな感じで、俺の指が結月の中に入るとこ。この状態で、中くにくにってされたら、気持ちよさそうだと思わない?」
「……っ」
密着していた結月の腰が、かくっと揺れた。触って確認してもらいながらのイメージトレーニングというのは、案外、効果がありそうだ。
「実際には、このくらいの位置に『前立腺』っていう性感帯があるんだ。で、こんな感じで優しく圧を加えると、お腹の奥がきゅんきゅん締まんの。手のひらじゃ感じらんないけどね」
五センチ、六センチほど指を入れたところをくんくんと刺激しながら、結月が知らないであろう男の体の作りを解説する。
「う、そだ……っ。作り話、してるだろ……っ!」
「いいや、マジ。結月の中にも、ちゃんと感じられるところがあんの。まあ、信じたくないなら、それでもいいけど」
ケツの中に感じるところがあるなんて、確かに冗談みたいな話ではある。けれど断じて、これは晃大が考えた妖怪金玉潰しみたいな作り話ではないのだ。触った側も触られた側も、一発でわかるくらい決定的な違いが、そこにはある。
「一回、試してみる?」
「っ――」
「試してみよっか」
さっきからずっと、手のひらを擦るたびに腰が揺れている。同じことをお腹の中でされるイメージをして興奮しているのは明白だった。
「結月の中にも、ちゃんと気持ちいいところあるかな」
新たにローションの封を切って、たっぷりと手のひらにのせる。結月は頬を赤く染め、きゅっと唇を引き結んでいた。
「どうする? ほんとに結月だけなかったら……」
「そんなことっ――」
「はーい、じゃあ、確かめるから力抜いて」
「あ……っ!」
つぷり、と。最初に試したときの頑なさが嘘だったかのように、指先が中にいざなわれた。
「やっ、あ……っ」
「その調子。今、めっちゃ上手に力抜けてる。気持ちいいとこ、もうすぐ届くから頑張ろう。さっき、俺の指握り締めてたときのこと思い出して」
「う、ううっ」
イメージが湧いているからか、話していた前立腺の位置までスムーズに指が到達した。思ったより手前のほうだ。ちょうど、第二関節あたりまで沈めたくらいの位置。こりっとした、柔らかくも弾力のある感触――。
「あった」
「っ――!」
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