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 ビクンと、結月の腰が跳ねた。 「ここ、わかる? 押すと変な感じするだろ?」  初めてだから、違和感のほうが大きいかもしれないが。そこが、ほかの部位とは明らかに違う造りをしているということは、結月にもわかったはずだ。 「これより奥は、今日は触らない。だからとりあえず、この位置と感覚だけ、慣れる練習をしよう」  ちんこを入れるどころか、たったの指一本。それも、根元までではなくほぼ半分。けど、それでいいのだ。結月が、ここまでなら頑張れそうと思うペースを崩さないように。これなら、またしてもいいかもと思えるギリギリのラインを狙って――。 「ん、んんっ、あっ」 「そ、声出したほうが力抜けやすいから。てか結月、マジで、めっちゃ上手じゃん。押すたびにきゅっきゅって中締まってるのわかる?」 「わ、っか……」  言いかけて、またきゅっと中が締まった。  最初はどうなることかと思ったが、コツさえ掴めばむしろ感じやすいタイプかもしれない。くにくにと中指を折り曲げて敏感な場所を擦りながら、晃大は震える肩を抱きしめた。  可愛い。もう早く一つになりたい。けど、痛い思いはさせたくない。そんなことしたら、このバキバキに勃起した晃大のちんこも萎えるに決まっている。だから、今は我慢のときだ。入れているのが指一本――いや、その半分でも、結月が感じているというのなら、今こそが晃大にとっても最高に気持ちのいい瞬間なのだ。 「あー、マジで可愛い。幸せ」  誰かを可愛いと思う感情や、愛おしいと思う感情がこんなにも満たされたものだとは知らなかった。 「こっ、た……っ、もっ、出したい……っ、出し……っ」 「ん、前、触ってもいいよ。俺もイきそう。おまえの太ももでイかせて」  そろそろと前に手を伸ばしたかと思うと、たちまち、我慢の限界とばかりに結月はそれを扱き始めた。一拍を置いて、晃大もぐっと結月の太ももに股間を押し付ける。 「っ、きもち……っ」 「あっ、あっ、出るっ、もう、出そうっ」 「ん、俺も……っ、イクッ――」  ぴん、と結月の体が張り詰めたのと同時、溜まりに溜まっていた晃大の熱も勢いよく弾けた。 「っ――」  二人して数秒、じっと息を詰める。やがてゆるゆると体が弛緩して、静かな部屋に、深い呼吸だけが響いていた。 「あー、最高……」  全身を包み込むような多幸感に溺れつつ、細い首筋に鼻先を擦りつける。入れずにここまでの快感を得られたのは、生まれて初めてのことだった。終わったあとにこうしてくっついている時間も、幸せでならない。 「ばい、と……」 「んー?」 「ばいと、は……」  ああ、と晃大は結月の額にキスをした。 「ほかのやつに変わってもらったから、大丈夫。今日はもうずっとおまえといるって決めたから」 「いつの、間に……」  ローションとゴムを取りに立った際に、手っ取り早く連絡を入れておいたのだ。それから間もなく、枕元に置いたスマホに『了解』と記された通知が届いていたのも横目に確認済みだった。 「んなことより、このまま一眠りしようぜ。慣れないことして、体力使っただろ?」  髪を撫でると、ゆるりと結月の瞼が下がった。もうすでに、半分寝ているようなありさまだ。  ベッドボードに置いたティッシュを何枚か抜き取り、互いが出したものを拭き取ると、端に寄せていた布団を手繰り寄せて結月に掛けてやった。すでに寝息を立て始めている結月を優しく抱きしめ直し、一息ついて枕に頭を乗せる。 「こ、た……」 「ん、ちゃんといる」 「……こ、た」 「愛してるよ」  頬にキスをして、晃大もそっと瞼を閉じた。  二十一年という時を経て、ようやく、あるべき場所に還ったような――そんな安らぎに、身も心も優しく包まれていた。

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