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第47話 アソートセックス
セックスならたくさんしてきたよ。
キスをして、抱きしめて、お互いの気持ちいいところを探し当てていくのは楽しかったし、快感を拾うのは上手だったから。誰とでも十分気持ち良くなれた。
あいつと、宇野とするよりもずっと気持ちよかったことだってあった。
相手が変わればやり方も変わる。それも楽しめるようになった。恋愛感情がなくても、誰としても、セックスはいつだって気持ちいいものだった。逆にその方が飽きなくていいって思うくらい。
毎回、違う味を楽しめるアソートみたいなセックス。
それで充分だった。
「あ、の、柴くん」
まだ、柴くんの萎えてない。
「へ、き?」
「?」
「女の子、とは違う、んだ。だから」
「知ってるよ」
面倒、だよ?
きっと。
ノーマルな人にはすごく面倒臭いと思う。
セックスするのにいちいち準備をしないといけないなんて。男の身体は気持ちいいからって濡れてくれたりしない。したい時にすぐにできないんだ。
今まで柴くんが抱いてあげた相手と全然違う。
身体だってそう。
いくら細くても骨っぽくて、硬いでしょう?
女の子みたいな柔らかさはちっともない。女の子みたいにふくよかな胸もない。なのに手間はかかるなんて。
「待ってて」
だから、そっと、少しずつ確かめるように、少しずつ。
「あの、準備するから」
僕とできる?
細いだけで柔らかさのないこの身体でも楽しんでくれる?
待ってて、くれる?
その間に萎えちゃうかもしれない。
準備の時間でテンション下がるかもしれない。
「やだ。待たない」
「! 違くて、あのっ」
萎えませんようにって、内心必死になってしまうんだ。
「貸して」
「!」
羞恥心? 罪悪感? 恐れ?
「っ、ンっ、あっ、待っ、ダメっ、ンンンンっ」
戸惑いに目眩がした。
「あっ、柴くんっ」
柴くんのあの手に前を握られてる。女の子には絶対についてなくて、柴くんと同じものを、あの手に握られて、扱かれてる。
「あ、あぁっ」
柴くんのあの指に、中を撫でられてる。
「あ、柴くんっ」
どうしよう。
「ダメっ、あ、あ、あっ」
溶けちゃいそう。
長い指が僕の中を撫でてくれる度にローションが粘膜を濡らしていくやらしい音がしてる。
前も優しく握られて、くびれのところを指で作った輪っかが小刻みに行き来して、こっちはローションなんてまとわせてないのに。
「あ、あ、あっ」
濡れた音が止まらない。
「柴くっ、ン」
前と後ろを同時に可愛がられて、どうしょうもなくなっちゃうくらいに気持ちいい。ベッドの端に腰を下ろした柴くんの上に跨がって、膝立ちで、突き立てられた指が二本に増やされると、その質量に震えてしまう。あの、指に中が嬉しそうにほぐれてく。
勝手に揺れてしまう。
勝手に柴くんの手に夢中になって、中を撫でてもらいやすいようにって、前、もっとこの優しい手のひらを味わいたいって、腰がくねらせてると、柴くんの唇が胸にキスをしてくれた。
「ン、あぁっン」
快感にツンと尖ってた胸の小さな粒も可愛がられて。
「あ、やっ……待っ」
全身可愛がられて、彼に準備をさせてしまってるなんて。
「柴くんっ」
あ。
でも、まだ、柴くんの、萎えてない。
「あ、あ、あっ、待って、もっ」
ホッとした。
まだ、柴くんの硬い。
それを俯いて、チラッと確かめた。
「真咲さん」
「っ、ん、ンンっ」
低い声で名前を呼ばれた瞬間、前を撫でてくれていた手が腰を掴んで、僕をその膝の上に座らせると、自身の、僕がチラッと見て確かめた、硬いそれと一緒くたに、引き寄せてくれたその手が握って。
「それっ、ダメっ」
柴くんの熱が触れて、下から覗き込むようにキスで唇を塞がれて。
「ン、ンンンンンっ」
身体の奥の方を柴くんの長い指が撫でた瞬間――。
「ぁ、待っ、っっっっっっ」
キスの隙間から戸惑いが溢れて。同時に、快感も溢れた。
「あっ………… ぁ……っ」
指、気持ちい……。
「ぁ、柴く……ン」
「やっぱ、さっきの撤回」
「?」
何、を?
「今までのこと、や、じゃない? って言ってたでしょ」
僕が毎夜抱いてくれる相手を変えていたこと。アソートみたいなセックスを楽しんでいたこと。
「真咲さんのこの顔、見たことがある奴がどっかにいるんだって思うと、ちょっと羨ましくて腹立つなぁって」
「ぁ……」
「だから、やっぱりさっきの撤回する」
「あ、あぁっ」
嘘、みたい。
柴くんのも、今、一緒にイッたのに。
ちっとも萎えてない。
「あぁあっ……あ、硬、いっ」
僕も、今、解されながらイッたのに。
「あぁぁっ」
ど、しよ。
「あ、柴く、ンっ」
「こんな可愛い顔、見たことある奴がいるんだ」
「あ、あ、柴くんっ」
顔、見ちゃ、ダメ。
「あぁっン、あンっ……アっ、ア、ン」
今きっとすごい顔してる。
「真咲さん」
「あ、ダメ、柴くんの、おっき、ぃ……あ、あ、下から突き上げちゃっ、ダメっ」
「やば、真咲さんの中」
ね、見ちゃヤダ。
だって、こんなに気持ちいいの、知らない。
中も、前も全部とろけて、濡れて、トロトロになってる。柴くんのことしゃぶりつくように中がキュンキュンしてる。前は、タガが外れたみたいに、ずっと溢れて止まらない。
ねぇ、気持ち良くておかしくなりそう。
だからきっと、絶対に変な顔してるでしょう?
知らないもの。こんなに気持ちいいセックスなんて。
「あ、ダメダメっ、柴くぅ……ン、あ、らめ、も、イッちゃうっ、あ、あ」
「俺も」
「あ、柴くんっ、柴くんっ」
「真咲さん」
「ぁ、らめっ、も、イくっ」
毎回違う味が楽しめるアソートみたいなセックスをずっとたくさん味わってきたの。
楽しかったし、気持ちよかった。
「あ、柴くんっ」
充分だった、の。
「イクっ、イッちゃうっ、柴くんっ」
「俺も」
「あ、あ、あ、あ」
こんなセックス知らない。
こんな。
「あ、イクっ」
こんなに気持ち良くてたまらなく美味しいセックスなんて。
「好き、柴くんっ」
「っ」
「あ、ああああああああっ」
今まで食べてきたどんな甘いのよりも、甘くて、たまらなく美味しいなんて。
「あ、柴くん」
知らなかった。
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