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第77話 満ちてる
ずっと欲しいものがあったけど、ずっとそれがなんなのか分からなかった。
いつも、やっぱりなんだか違ってた。
美味しいけれど、どれも、本当に欲しいものじゃなかった。
ずっと欲しかったのは――。
「壱都くん?」
熱い? 壱都くんの前髪が少し濡れてる。
「あの、どうか、した?」
じっと僕を見つめてる。
何か変だっただろうか。壱都くんの愛撫はたまらなく気持ち良いから、蕩けてしまいそうで。もしかして、今、僕は本当に蕩けかけて、とてもだらしのない顔でもしていたのかもしれないと、慌てて、自分の顔半分でも隠せないだろうかって、口元を手の甲で覆って隠した。
「んー、上手に切れたなって」
言いながら、壱都くんがニコッと笑って僕の肩にキスをしてくれる。
「ぁ、うん。ありがと」
「真咲の髪が綺麗だから」
「え、あ、そんなの、言われたこと……ないっ」
耳の辺り、横は整えただけって言っていた。後ろだけスッキリさせたかったからって。けれど、不思議なことに、長さは確かに変わっていないけれど、なんというか、シルエットは変わっていて。スッキリしている。
きっと、このカットにはたくさんの技術が詰め込まれているんだろうって思う。
壱都くんが今まで培ってきた技術がたくさん。
「真咲は綺麗だよ」
「あ、ぁっ……そこっ」
クチュリと甘い音を立てて、壱都くんの長い指が僕の中を抉じ開けていく。ゾクゾクって、身体にスイッチが入って、この長い指に媚びるように中がぎゅっと締め付けたのを感じた。
「やば、真咲の中」
そう感じたのは壱都くんも、で。
「あ、あ、あ、そこっ……っン」
「指なのに気持ちい」
「あっ……ふっ……ン、ん」
眉間に皺をわずかに寄せながら、僕にキスをしてくれた。中を指で撫でられながら、舌を絡ませられると、たまらなく気持ちよくて。
ほろほろにほぐれてしまう。
気持ちも。
「あ、あ、ン、壱都くん」
身体も。
「も、平気」
ね? 柔らかくほぐれた。
そっと、壱都くんの手に触れて、腰を引くようにすると、わかってくれた彼が指を抜いてくれた。
僕は、大胆なくらいに脚をたくさん広げて、ねだるように彼を見つめる。太ももに手を添えて、ヒクつくそこを見せるようにもう片方の指で少しだけ、孔の縁をなぞって。
「壱都くん……」
甘ったるい声で彼を呼んだ。そして。
「今日、このままがいい」
「……」
「ゴム、しないで。壱都くんの、欲し」
今日、彼の一番奥に触れさせてもらえた気がした。いつも明るく、どんな時もフラットで、優しい彼の奥にある部分。痛いことだったり、苦しいことも混ざっている、彼の奥の、もっとずっと奥。
だから、僕の奥にも触って欲しい。
そのまま、僕の奥、一番、奥までいっぱい、彼に直に触ってもらいたい。
「このまま、して」
彼のが、欲しい。
「ほんと、なんなの? ってくらい……こういう時、すごい色気」
「あ」
「クラクラする」
「あ、あ」
壱都くんのが、グッと押し込まれた。
「ぁ、あぁっ」
もう身体が覚えてる、壱都くんの熱。
「あ、あ、ン」
壱都くんの形。
「あ、あぁぁぁぁぁぁ」
彼のだけを、身体が記憶してる。
「あっ……っ、ン」
満ち足りてる、って、きっとこういうことなんだって、思う。
「挿れただけで、イっちゃうとかさ」
「あっ……だって」
「俺の、気持ちい?」
「う、ンっ、気持ちいっ、あっ、あンっ……そこ、もっと」
「俺も」
グッと奥に来てくれる。奥までいっぱいに彼の熱さを感じるとたまらなくて、恥ずかしいくらいにずっとイッてる。
「真咲の中、気持ちい」
「あぁっ」
クンって、奥に突き立てられて、僕のから、また何かが溢れる。
「あ、あ、あっ」
小刻みに何度も中を擦り上げられながら、つま先まで広がる気持ちいいに翻弄されてると、ぎゅっと抱き締めてくれた。
「ン、ン……あ、壱都くぅ……ン」
キスをしながら抱き抱えられて、繋がったまま壱都くんの膝の上に座らされた。
「あっ深……ぃ」
自分の体重もかかって、もっと奥まで彼の侵入を許しながら、その背中にしがみついて、キスを貪る。
「っ、真咲の中、すご」
「あ、あ、ン……あっ」
背中を逸らすと、壱都くんが身体を丸めるようにしながら、胸にキスをしてくれた。小さな粒は舐めて、噛んで欲しそうに、ツンと立ち上がって、アピールするように紅くなってる。それを口に含まれると、たまらなく気持ちが蕩けてく。
彼の全部が欲しくてたまらなくなる。
彼の全部を独り占めしたくて。
「キュンキュンしてる」
「あ、だって、壱都くんのっ」
離したくないって、すごく、思う。
「真咲」
「あっ、そこ、っ、イっちゃう」
「好きだよ」
「っ、っ、っ」
彼が好きって、すごく、思う。
「あ、あ、あ」
「イかせて」
うん。って甘い声で答えて。
「あぁっ、あ、壱都くんっ、あ、らめっ……あ、あ」
早くって、身体でねだった。
「あ、あ、あ」
ただしがみつきながら、自分からも腰を振りたくって、彼の全部がもらえるように。
「あ、あ、あ、あぁぁぁっ……っ…………っ」
頭が真っ白になった瞬間、身体の一番奥に熱いのを感じて、震えるほど気持ちよかった。全身がぎゅっと彼にしがみつきながら。
「あ……壱都くん……っ」
その名前を呼ぶと、答えるようにキスをしてくれて。
「っン」
また中が嬉しそうに、彼にしゃぶりついてた。
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