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第8話

 スープを飲んだハルは、毛布から出る決意をした。恐る恐る毛布から出て、暖炉の側までやって来た。後ろを振り返ると大人数で食事のできる長テーブルと椅子があった。 「あっ」  振り返った先に、金髪の彼が安堵した表情を浮かべ立っている。彼を見るとほっとする自分がいた。 「エルンストさん?」 「私はこの騎士団の団長。エルンスト26歳。申し訳ない」  丁寧に頭を下げられて、ハルは戸惑う。何を謝られているのか。謝られるようなことされてない。 「かっ顔。あげて。謝られることして、してない。おっお礼がいっ言いたくて。ありがとうございます」  まだ、こうして話すのが緊張と怖さからどもってしまう。直さないと。俳優として情けないから。エルンストは、顔を上げたが、ハルのお礼に悲しそうな顔を見せた。 「お礼を言われるような立場ではないよ。私は。私がもっと早く助けていたら、トラウマを作らなくて済んだ。私の責任だ」 「違う。あんたに責任なんてない。俺はあんたのこっ、言葉に救われた。守ると言ってくれた。あんたに。もし、そっそれでもあんたが気に病むなら。1つだけおっお願いをきっ聞いてほっ欲しい」 「なんだろう?私に出来ることなら」 「えっと、俺の毛を切ってもらえるかな。信じてみたいと思えたあんただからお願いしたい。だっ駄目かな」 「分かったよ。おいで」  彼の優しげな笑みが、助け出された時と同じ。それ以上にハルの心を暖かく包み込んだ。

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