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第10話

 かなり伸びていた毛を切ってもらい、ハルはかなりスッキリした。生まれ変わったように身体が軽い。たらいにお湯を入れておくと言われて、暖炉のある部屋の隣。タオルと、服が床に置かれている。浴室ではない。どう見ても作戦会議室。机がどかされて、大きなたらいが置かれていた。お湯はどうやって捨てるのか。細かいことがハルは気になったけれど、久々に人型になりたらいの中に足をつけ、そのままゆっくり入浴した。 「きもちいい」  汚れた体をエルンストさんに見られなくて良かった。何度も男達に。そう思ったら。俺はここにいるべきじゃない。早く離れて、働いて自立出来るようにしないと。体の汚れを洗い落とし、床を濡らさないようにたらいからあがる。借りた服は、エルンストさんと同じ匂いがした。ズボンも白いワイシャツもぶかぶかだった。ズボンは一緒に置かれていたベルトをすればなんとか履けた。上は袖から手が全く出ない。 「俺。こんなに小さかったのか」  この姿すら情けなくなってきた。小さい俺に何が出来るのだろう。エルンストさんは俺に聞きたいことがありそうだった。隣の部屋にいるエルンストさんと話してみよう。ハルは恐る恐る扉を開ける。 「……」  黒髪の男性と目が合いハルは固まってしまう。ハルに向かってずんずん歩いて来る。俺と目線を合わせると、ぽんと頭に手をおいて抱き上げられていた。身体が反射的に震えてしまう。 「ライオ」 「ライオさん。ごっごめん」 「身体は素直だ。我慢するな」 「あっ、あり。ありがとう。ございます」 「ライオ。失礼なことをするな。私の服では大きかったようだね」  少し不機嫌な顔をしたエルンストさんが、ライオの腕の中からハルを引き取った。エルンストさんに抱っこされたら身体の震えがおさまった。ライオさん以外にもう1人。部屋にいた髪が鳥の羽みたいな彼が自己紹介してくれた。 「セオ・セルパー。偵察担当。報告を終えた。任務に戻る。お前は」 「ハルです」 「そうか。ハル。また。行こうライオ」  ライオはエルンストとハルに頭を下げて、黙ったまま出て行く。 「騒がしいのは居なくなった。少し座って話そうか」 「はい」  エルンストさんは優しく俺を椅子に座らせてくれた。右隣にエルンストさんが座る。 「君のことを聞かせてくれるかな?」  転生者であることを除いて、ハルはこれまでのことをエルンストに話した。

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