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第13話
「大丈夫かな」
ハルは分かってしまう。声で。どんな性格の人か。どんな人なのか。声の些細な変化で分かる。何度気持ち悪いと言われたか。ヒーローなんかじゃない。
「俺はただの化け物だ。咄嗟に言ってしまったけど。余計なお世話だったかも。俺が勝手に思って。強引に行かせて」
1人でいたら、こんなことにはならない。傷付かない。だけど、1人になるのは、怖い。本当は言えなかったけど。帰る場所が欲しい。家族が欲しい。友達でもいい。話を聞いてくれる人が欲しい。わがままを言えるはずがない。言っていいわけがない。俺は。
「騎士団では奴隷商人から助け出した。なんだろう。商品。お客様。住んでないから居候ではないし。厄介者。よそ者が合っているかな」
火が少し小さくなった暖炉に残りの薪を投げ入れて、ハルは暖炉の前に体育座りで座る。暖かな火の前で、そのままになっている潜っていた毛布を抱き締める。エルンストさんの匂いはすっかり消えてしまっている。
「何も準備出来ていないのに。出て行けと言われたら」
炎を見ながら、無意識にハルは歌を歌っていた。不安になるといつもこうして気持ちを吐き出すように歌を歌う。誰かに聞かせるためではないから、歌詞も音楽もその場限り。少しでも不安な気持ちを抑えこんでいた。
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