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第14話

「ヴォルク」 「すみま「謝るな。悪いと思わなくていい。私が頼りなかったか。私に頼りたくなかったのか」」 「俺が。報告ぐらい出来る。己を過信していました。すみません。ありがとうございます。団長」  エルンスがヴォルクを追いかけるとベアリスはいた。体長50センチほどのベアリス。余裕で討伐出来る。問題はそこじゃない。討伐を依頼してきたのが、神殿の連中だった。ヴォルクは神殿の連中と仲が悪い。報告に行くとき、1人で行くと毎回嫌味を言われるのだ。今回の依頼が神殿の1番上の身分の爺さんだった。 「得手不得手がある。頼る時は頼れ」 「そうだな。何度も言われたのに。今度は大丈夫。思ってしまった。変なことを聞くが、どうして今日は追いかけて来てくれたのですか?分かりやすかったか」 「言われたんだ。ハルに。追いかけないと駄目だって。お願いならそれがいい。彼の願いは人の為だった。結果的に。最善だった」 「俺を追いかけろ。彼が何故」  エルンスも理由を問われても分からない。助けたら、助かることがあるかは分からないけど、何故追いかけろと言ったのか聞こうと思っていた。獣人は他人でも、家族でも助けようとか困っているなとかそういったことに気付きにくい。直感で追いかけた方がいいと彼は思ったのか。 「聞いてみないと分からない。ヴォルク。何故か私は悲しい気持ちになったよ」  寮に着くと、エルンスが他の団員の様子を見に行くと訓練場所に向かい、ヴォルクは玄関の扉を開けた。中から歌が聞こえた。切なくて、悲しい声。聞き入ってしまう。心がざわついた。ヴォルクの足は自然と歌が聞こえる方に向かっていった。暖炉の前でうずくまり、気持ちを吐き出すように歌うハルがいた。 「悲しい歌。歌わないでくれ」  振り向いたハルの顔は驚きの表情とまではいかないが、目を少しだけ見開いて。 「ヴォルクさん。なっ、泣いて。ごめんなさい。泣かせるつもりなくて。余計なことをして。謝りたくて、謝りたくて。ごめんなさい」 「泣いたこと誰にも言うな。謝らなくていい。ありがとう」 「良かった。俺また余計なことしたかなと思って」  悲しい気持ちになった。団長の言葉が今のヴォルクも同じ気持ちだった。良かった。気遣われているのに、心は悲しみがついてまわる。彼の表情が無表情で気持ちが読めないからなのかもしれない。ヴォルクもこの子が笑えるまでここに置いてあげてもいいのでは、気を使わずに物を言えるようになるまで。そんなことを思っていた。

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