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第16話
「ああ。駄目なのですよ。ヴォルク先輩。ただでさえ、怖い顔なんですから。奴隷商人から助け出されたばかりの獣人は、こうして隠れずに出て来ただけで、すごいです。気まずくなるとどうしようとなって、謝るしか出来なくなるのですよ。自己紹介したからって油断してはならないのです」
耳を塞いでいても、獣人の聴覚。聞こえてしまう。ヴォルクさんに怒ってる。ハルの行動理由を事細かに説明している。その通りなんだけど。誰だろう。若い。ヴォルクさんより確実に。
「ミロ。いつも部屋を爆発させる。お前には言われたくない」
「今のことと関係ないです。ボクは好きで爆発させているわけではないですよ。完成させると爆発してしまうです」
それは完成したと言えるのか。ハルは話している相手に興味が出てきた。耳を塞ぐのをやめて、目を開けた。ハルのいる作業台を覗き込んでいる可愛らしい男の子と目が合った。
「ミロ・ナッツです。最年少15歳っす。ボクの発明でみんなを強くして、笑顔にするっすよ」
元気いっぱいの明るい笑顔が眩しい。オレンジの髪。ふわふわのリスのオレンジ色のしっぽ。触ってみたい。ハルは無意識にしっぽを目で追ってしまっていた。気付いたミロがハルにしっぽを向けた。
「どうぞ」
明るいトーンの声に促されるように、恐る恐る前に出て前足で、しっぽに触れた。ふわふわのしっぽに飛びついて顔を埋めていた。ほどよい温かさに癒される。
「可愛い」
子守唄のように優しく左右にゆすられて、ハルは眠ってしまっていた。
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