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第17話
戻ってきたエルンストは、ミロの尻尾にしがみついて眠るハルを見て、一瞬だけ微笑みを見せた。
「ミロ。その子は私のだ。もらうよ」
ミロの尻尾から優しくハルを抱きあげた。あまりの軽さと細さにエルンストは驚いた。幼い頃から栄養ある食事が出来ずに、栄養が体に回らず成長が止まっている。医者から報告を受けていた。よく眠り栄養を摂らせるのが1番と説明を受けた。眠っているのに、震えて涙を流すハルを見ていると胸が痛い。
「ヴォルク」
「すみません。やはり、俺には難しいです」
「急ぎ過ぎただけだよ。ヴォルク。君を怖がっていたかい?」
「怖がってなかったよ。ミロが思うに、申し訳なく思っちゃっただけじゃないかな」
「意味が分からない。ミロ」
「ヴォルク先輩は気まずいって思ったことないから、分かるはずないよ。偉い人とか、まだよく知らない人とか、これから仲良くなりたいなと思っている人には。もう少し気の利いたこと言えたら、もっと怖がらずに言いたいこと全部言えたら。本当は言いたいことあったんじゃないかな。ハルくん」
ミロもこの騎士団にいる全員も、エルンストに奴隷商人から助けられた者達だ。ミロはハルよりは酷い環境ではないにせよ、かなり暴力を振るわれ魔導具を作るだけの人形にされていた。ハルの気持ちが1番よく分かる。
「言いたいこと」
「そうかもしれないな。ヴォルク。ミロ。ゆっくり時間をかけよう。時間はたっぷりある。私の部屋のベッドに寝かせてくるよ。ミロはヴォルクを手伝うように」
作戦会議室に入って右奥の扉を開ける。エルンストの自室だ。ベッドの上にハルを優しくおろして、エルンストは布団をかけた。
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