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第21話
エルンストさんが怒るのではなく、爆発の場所に行く前に、何故かリュックを背負ったヴォルクさんも一緒に連れてきた。
「エルンストさん」
「私が怒るより効果があるんだよ」
ヴォルクさんが、夕飯抜きだ、と言っている声が聞こえた。この世の終わりのような顔を3人はしている。
「すまない。おろすよ」
「何処かに行くのか」
「大丈夫だよ」
エルンストさん。すぐ帰るとは言わなかった。大丈夫だよ、と言ったのに、声が緊張していた。どうして。理由を聞きたかったのに、もうすでにエルンストさんは行ってしまった。この4人。少なくともヴォルクさんは悪い人ではない。ハルはたぬき姿のまま早歩きして、ヴォルクさんのズボンの裾にしがみついた。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
無言で見つめ合っている場合じゃない。言わないと。大丈夫。殴られたり、足蹴にされたりはしないはずだ。ハルは勇気を振り絞った。
「あの。エルンストさん。緊張してた。誰か来るのかな」
「……まさか。行くか?」
「連れて行ってくれるなら。お願いします」
「分かった。説教は終わりだ」
ハルの前にしゃがんだヴォルクが、背負っていたリュックに入るように言った。言われた通りに入れば、リュックの中で立って頭だけ出しても疲れない、丁度いい小ささのリュックだった。
「もしかして、僕のために」
「怖ければ、すぐに隠れられる」
「ありがとうございます。エルンストさんは何処に行ったか分かる?」
「おそらく。爆発音を聞きつけ、別部隊のいけすかない奴らが来た。かもしれない」
寮の周りは森。街道に繋がる道の入り口に門がある。門のところに、エルンスト。いけすかないらしい、別部隊の騎士がいた。
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