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『ヤクザ若頭に保護されたら、なぜか嫁扱いです』 燎牙 × 澄夜 #3

##3 **** 夜。 「澄夜」 低い声。 それだけで、背筋が熱くなる。 澄夜はソファの端で肩を震わせた。風呂上がりの肌へ、燎牙の視線がゆっくり絡みつく。 逃げたい。 でも。 逃げたら、本当に捕まる。 いや、違う。 捕まると分かっていて、逃げるふりをしているだけだ。 「……何」 「来い」 短い命令。 燎牙はソファへ深く座ったまま、片手を差し出している。 澄夜は少し迷って、その手へ触れた。 次の瞬間。 ぐい、と強く引かれる。 「っ♡!」 そのまま膝の上へ閉じ込められた。 「りょ、燎牙さん……っ」 「遅ぇ」 低い声が耳元へ落ちる。 煙草を減らしてからも、燎牙には独特の匂いが残っていた。 雨。 スーツ。 夜。 男の体温。 怖い匂い。 なのに、安心する。 「……待つって言ったくせに」 澄夜が小さく睨むと、燎牙は喉の奥で笑った。 「待った」 「どこが」 「お前が来るまで、手ぇ出さなかった」 「基準が低い!」 文句を言いながらも、澄夜は膝の上から降りようとしなかった。 それが答えだと、燎牙にも分かっている。 だから余計に悔しい。 **** 「こっち向け」 顎を掴まれる。 視線を逸らせない。 燎牙の目は、獲物を捕まえた獣みたいだった。 「っ……♡」 「嫌なら言え」 低い声。 澄夜は一瞬、息を止めた。 燎牙は乱暴な男だ 危険な男だ。 けれど、自分が本気で嫌がることはしない。 「……嫌じゃない」 小さく答えると、燎牙の目が暗く熱を帯びた。 「なら逃げんな」 そのまま、重いキスが落ちる。 深い。 最初から容赦がない。 「んっ♡♡ ぁ……♡」 「口開けろ」 舌が深く入り込む。 絡め取られる。 息を奪われる。 澄夜の指が、思わず燎牙のシャツを掴んだ。 「っ♡ りょ、うが……♡」 「煽ったのお前」 低く笑う声。 その響きだけで、腰が震える。 燎牙は普段、ほとんど喋らない。 だから。 たまに落ちる短い言葉が、全部刺さる。 **** 「立て」 「は、ぇ……♡?」 燎牙が澄夜を抱き上げる。 そのまま壁際へ追い込まれた。 逃げ道がない。 大きな身体に囲われる。 「っ♡ こわ……♡」 「今さら」 燎牙の手が、澄夜の太腿を掴む。 ゆっくり撫でるんじゃない。 開かせる。 捕まえる。 でも、壊さない。 「ぁ♡……っ」 「脚」 命令しかけた燎牙が、少しだけ言葉を止める。 それから、低く言い直した。 「開けていいか」 澄夜の顔が、一気に熱くなった。 「……そういうの、急に聞くな♡」 「お前が、勝手に決めるなって言った」 澄夜の言葉を覚えている。 囲い込むだけだった男が、待つことを覚えようとしている。 それがずるい。 「……いい」 澄夜が小さく答えると、燎牙の手に力が入った。 「澄夜」 「な、何……♡」 「そういう顔、俺の家でだけしろ」 「っ♡ 言い方……♡」 「お前の部屋でもいい」 「そこ、訂正するとこじゃない!」 強がった瞬間、燎牙の鼻先が首筋へ触れた。 匂いを確かめるみたいに。 「お前、俺の匂い付くとすぐ熱くなる」 「っ♡ そ、んなこと……♡」 次の瞬間。 首筋へ強く噛みつかれた。 「あっ♡♡♡!」 びく、と身体が跳ねる。 燎牙の舌が、噛み跡をゆっくりなぞる。 「他の奴に見せんな」 「ぁ♡……っ」 「嫌なら隠さなくていい」 燎牙の声が耳元で沈む。 「でも、俺は隠したい」 独占欲が、そのまま熱になって流れ込んでくる。 「っ♡ ば、か……♡」 「お前が悪い」 「何で俺のせい……♡」 「帰ってきた顔が可愛すぎる」 重いキス。 深い。 息が乱れる。 頭がぼうっとする。 **** 「見ろ」 燎牙の指が、澄夜の顎を上げる。 視線が絡む。 逃げられない。 「っ♡……」 「その顔、俺以外に向けんな」 そのまま、深く抱かれる。 「あっ♡♡♡!」 奥。 一番熱い場所を、最初から正確に抉られる。 「ぁっ♡ や、ば……っ♡」 「逃げんな」 腰を掴まれる。 完全に固定される。 深く。 重く。 逃げ道を塞ぐみたいに。 「ぁ♡♡ むり、っ♡」 「無理じゃねぇ」 燎牙の額が、澄夜へ押し付けられる。 熱い。 獣みたいな熱。 「っ♡ こわ、ぃ……♡」 「怖ぇのに、帰ってきたのはお前だろ」 「ぅ♡……っ」 図星だった。 怖い。 燎牙は危ない男だ。 でも。 今、一番安心する場所が、この腕の中だった。 澄夜は、守られるだけのつもりはない。 置かれるつもりもない。 自分でここへ帰ってきた。 その自覚ごと、燎牙に抱き込まれている。 **** 深く突き上げられる。 何度も。 何度も。 「あっ♡♡♡ ぁ、やば……♡♡」 「締まる」 「っ♡ 言う、な……♡」 「俺の家に帰ってきた顔してる」 「そんな顔、知らな……♡」 燎牙の手が、澄夜の腰をさらに引き寄せる。 逃げられない。 身体ごと、自分の縄張りへ閉じ込められていく けれど、以前とは少し違う。 ただ捕まっているんじゃない。 帰ってきた場所で、抱き締められている。 「っ♡ りょ、うが……♡」 「帰ってこい」 耳元。 低い声。 その瞬間、澄夜の身体が大きく震えた。 「あっ♡♡♡!」 深く突き上げられる。 奥を抉られる。 「ぁ♡♡ そこ、ぉ……っ♡」 「俺は待つ」 重い言葉。 でも、それが嬉しい。 「っ♡ ぅ、あ……♡」 「だから、お前は帰ってこい」 また奥を突かれる。 澄夜の視界が滲む。 怖い。 逃げたい。 でも。 帰る場所は、ここだった。 **** 「ぁ♡♡♡ りょ、うがっ♡♡」 「離れんな」 低い声と同時に、最奥を強く抉られる。 「あぁっ♡♡♡♡!!」 絶頂。 身体が大きく跳ねる。 燎牙の腕が、澄夜を完全に抱え込んだ。 逃がさない。 壊さない。 でも、絶対に離さない。 「っ♡ ぁ、ぁ……♡」 燎牙も低く息を吐きながら、深く抱き締める。 首筋へ、もう一度キスが落ちた。 **** しばらくして。 燎牙は澄夜を胸へ閉じ込めたまま、髪へ顔を埋める。 「……帰ってきた」 掠れた声。 澄夜の胸が熱くなる。 「……俺、最初からここにいましたけど」 「違う」 燎牙の腕が、少しだけ強くなる。 「お前が、自分で帰ってきた」 澄夜は言葉に詰まった。 中盤で、自分で言った。 置かれるんじゃない。 自分で帰ってくる、と。 燎牙は、それをちゃんと覚えていた。 「……そういうとこ、ずるい」 「何が」 「怖いくせに、たまにちゃんと待つところ」 燎牙は少し黙った。 それから、澄夜の髪へ唇を押し当てる。 「待つのは苦手だ」 「知ってます」 「でも、お前が帰ってくるなら待つ」 澄夜の胸が、じわっと熱くなる。 「っ……♡ 重い……」 「今さら」 「あと、外出るなとか言ったら怒りますからね」 「危ねぇ時は言う」 「コンビニは?」 「……組員に行かせる」 「俺が行く!」 「じゃあ俺も行く」 「結局ついてくるんじゃねぇか!」 澄夜が文句を言うと、燎牙はほんの少し笑った。 その笑い方が、以前よりずっと人間らしい。 怖い男。 危ない男。 でも。 その男が帰ってくる場所は、自分だった。 澄夜は小さく息を吐き、燎牙の胸へ額を押し付ける。 「……ただいま」 燎牙の身体が、わずかに強張った。 それから、抱き締める腕が深くなる。 「おかえり」 低い声。 約束通りの言葉だった。 澄夜は目を閉じた。 怖くて、重くて、普通じゃない。 でも、もうここが帰る場所だ。 「……離れんなよ」 ぽつりと零すと、燎牙の目が少し細くなった。 「お前が言うな」 低い声と一緒に、額へキスが落ちた。

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