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『ヤクザ若頭に保護されたら、なぜか嫁扱いです』 燎牙 × 澄夜 #3
##3
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夜。
「澄夜」
低い声。
それだけで、背筋が熱くなる。
澄夜はソファの端で肩を震わせた。風呂上がりの肌へ、燎牙の視線がゆっくり絡みつく。
逃げたい。
でも。
逃げたら、本当に捕まる。
いや、違う。
捕まると分かっていて、逃げるふりをしているだけだ。
「……何」
「来い」
短い命令。
燎牙はソファへ深く座ったまま、片手を差し出している。
澄夜は少し迷って、その手へ触れた。
次の瞬間。
ぐい、と強く引かれる。
「っ♡!」
そのまま膝の上へ閉じ込められた。
「りょ、燎牙さん……っ」
「遅ぇ」
低い声が耳元へ落ちる。
煙草を減らしてからも、燎牙には独特の匂いが残っていた。
雨。
スーツ。
夜。
男の体温。
怖い匂い。
なのに、安心する。
「……待つって言ったくせに」
澄夜が小さく睨むと、燎牙は喉の奥で笑った。
「待った」
「どこが」
「お前が来るまで、手ぇ出さなかった」
「基準が低い!」
文句を言いながらも、澄夜は膝の上から降りようとしなかった。
それが答えだと、燎牙にも分かっている。
だから余計に悔しい。
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「こっち向け」
顎を掴まれる。
視線を逸らせない。
燎牙の目は、獲物を捕まえた獣みたいだった。
「っ……♡」
「嫌なら言え」
低い声。
澄夜は一瞬、息を止めた。
燎牙は乱暴な男だ
危険な男だ。
けれど、自分が本気で嫌がることはしない。
「……嫌じゃない」
小さく答えると、燎牙の目が暗く熱を帯びた。
「なら逃げんな」
そのまま、重いキスが落ちる。
深い。
最初から容赦がない。
「んっ♡♡ ぁ……♡」
「口開けろ」
舌が深く入り込む。
絡め取られる。
息を奪われる。
澄夜の指が、思わず燎牙のシャツを掴んだ。
「っ♡ りょ、うが……♡」
「煽ったのお前」
低く笑う声。
その響きだけで、腰が震える。
燎牙は普段、ほとんど喋らない。
だから。
たまに落ちる短い言葉が、全部刺さる。
****
「立て」
「は、ぇ……♡?」
燎牙が澄夜を抱き上げる。
そのまま壁際へ追い込まれた。
逃げ道がない。
大きな身体に囲われる。
「っ♡ こわ……♡」
「今さら」
燎牙の手が、澄夜の太腿を掴む。
ゆっくり撫でるんじゃない。
開かせる。
捕まえる。
でも、壊さない。
「ぁ♡……っ」
「脚」
命令しかけた燎牙が、少しだけ言葉を止める。
それから、低く言い直した。
「開けていいか」
澄夜の顔が、一気に熱くなった。
「……そういうの、急に聞くな♡」
「お前が、勝手に決めるなって言った」
澄夜の言葉を覚えている。
囲い込むだけだった男が、待つことを覚えようとしている。
それがずるい。
「……いい」
澄夜が小さく答えると、燎牙の手に力が入った。
「澄夜」
「な、何……♡」
「そういう顔、俺の家でだけしろ」
「っ♡ 言い方……♡」
「お前の部屋でもいい」
「そこ、訂正するとこじゃない!」
強がった瞬間、燎牙の鼻先が首筋へ触れた。
匂いを確かめるみたいに。
「お前、俺の匂い付くとすぐ熱くなる」
「っ♡ そ、んなこと……♡」
次の瞬間。
首筋へ強く噛みつかれた。
「あっ♡♡♡!」
びく、と身体が跳ねる。
燎牙の舌が、噛み跡をゆっくりなぞる。
「他の奴に見せんな」
「ぁ♡……っ」
「嫌なら隠さなくていい」
燎牙の声が耳元で沈む。
「でも、俺は隠したい」
独占欲が、そのまま熱になって流れ込んでくる。
「っ♡ ば、か……♡」
「お前が悪い」
「何で俺のせい……♡」
「帰ってきた顔が可愛すぎる」
重いキス。
深い。
息が乱れる。
頭がぼうっとする。
****
「見ろ」
燎牙の指が、澄夜の顎を上げる。
視線が絡む。
逃げられない。
「っ♡……」
「その顔、俺以外に向けんな」
そのまま、深く抱かれる。
「あっ♡♡♡!」
奥。
一番熱い場所を、最初から正確に抉られる。
「ぁっ♡ や、ば……っ♡」
「逃げんな」
腰を掴まれる。
完全に固定される。
深く。
重く。
逃げ道を塞ぐみたいに。
「ぁ♡♡ むり、っ♡」
「無理じゃねぇ」
燎牙の額が、澄夜へ押し付けられる。
熱い。
獣みたいな熱。
「っ♡ こわ、ぃ……♡」
「怖ぇのに、帰ってきたのはお前だろ」
「ぅ♡……っ」
図星だった。
怖い。
燎牙は危ない男だ。
でも。
今、一番安心する場所が、この腕の中だった。
澄夜は、守られるだけのつもりはない。
置かれるつもりもない。
自分でここへ帰ってきた。
その自覚ごと、燎牙に抱き込まれている。
****
深く突き上げられる。
何度も。
何度も。
「あっ♡♡♡ ぁ、やば……♡♡」
「締まる」
「っ♡ 言う、な……♡」
「俺の家に帰ってきた顔してる」
「そんな顔、知らな……♡」
燎牙の手が、澄夜の腰をさらに引き寄せる。
逃げられない。
身体ごと、自分の縄張りへ閉じ込められていく
けれど、以前とは少し違う。
ただ捕まっているんじゃない。
帰ってきた場所で、抱き締められている。
「っ♡ りょ、うが……♡」
「帰ってこい」
耳元。
低い声。
その瞬間、澄夜の身体が大きく震えた。
「あっ♡♡♡!」
深く突き上げられる。
奥を抉られる。
「ぁ♡♡ そこ、ぉ……っ♡」
「俺は待つ」
重い言葉。
でも、それが嬉しい。
「っ♡ ぅ、あ……♡」
「だから、お前は帰ってこい」
また奥を突かれる。
澄夜の視界が滲む。
怖い。
逃げたい。
でも。
帰る場所は、ここだった。
****
「ぁ♡♡♡ りょ、うがっ♡♡」
「離れんな」
低い声と同時に、最奥を強く抉られる。
「あぁっ♡♡♡♡!!」
絶頂。
身体が大きく跳ねる。
燎牙の腕が、澄夜を完全に抱え込んだ。
逃がさない。
壊さない。
でも、絶対に離さない。
「っ♡ ぁ、ぁ……♡」
燎牙も低く息を吐きながら、深く抱き締める。
首筋へ、もう一度キスが落ちた。
****
しばらくして。
燎牙は澄夜を胸へ閉じ込めたまま、髪へ顔を埋める。
「……帰ってきた」
掠れた声。
澄夜の胸が熱くなる。
「……俺、最初からここにいましたけど」
「違う」
燎牙の腕が、少しだけ強くなる。
「お前が、自分で帰ってきた」
澄夜は言葉に詰まった。
中盤で、自分で言った。
置かれるんじゃない。
自分で帰ってくる、と。
燎牙は、それをちゃんと覚えていた。
「……そういうとこ、ずるい」
「何が」
「怖いくせに、たまにちゃんと待つところ」
燎牙は少し黙った。
それから、澄夜の髪へ唇を押し当てる。
「待つのは苦手だ」
「知ってます」
「でも、お前が帰ってくるなら待つ」
澄夜の胸が、じわっと熱くなる。
「っ……♡ 重い……」
「今さら」
「あと、外出るなとか言ったら怒りますからね」
「危ねぇ時は言う」
「コンビニは?」
「……組員に行かせる」
「俺が行く!」
「じゃあ俺も行く」
「結局ついてくるんじゃねぇか!」
澄夜が文句を言うと、燎牙はほんの少し笑った。
その笑い方が、以前よりずっと人間らしい。
怖い男。
危ない男。
でも。
その男が帰ってくる場所は、自分だった。
澄夜は小さく息を吐き、燎牙の胸へ額を押し付ける。
「……ただいま」
燎牙の身体が、わずかに強張った。
それから、抱き締める腕が深くなる。
「おかえり」
低い声。
約束通りの言葉だった。
澄夜は目を閉じた。
怖くて、重くて、普通じゃない。
でも、もうここが帰る場所だ。
「……離れんなよ」
ぽつりと零すと、燎牙の目が少し細くなった。
「お前が言うな」
低い声と一緒に、額へキスが落ちた。
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