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#07 セーラの発情 ヒート?それともラット?

ラビニアは、ロッティとベッキーを無理やり従わせて、セーラを密室のお風呂場(バスルーム)で拘束した。という名の屈辱的な行為により、Ω(オメガ)へと変貌していたセーラの身体は、本人の意志に反して淫らな反応(ボッキ)を晒してしまう。逃げ場のない密室で、嘲笑うラビニアの手には、いよいよアルファを屈服させるためのが握られようとしていた。 「ち、ちがう……っ、やめろよ、見るな……!」 「ダイヤモンド◆プリンスはカチコチなんじゃないかw」 セーラは屈辱の涙をこぼし、最大の羞恥に身をよじって、必死に体を丸めてうずくまろうとする。しかし、その惨めで無力な姿こそが、ラビニアの嗜虐心を最高潮に満たした。 「ふふっ、完全にただの汚い家畜だな。……でも、油断はできないよね」 ラビニアは冷酷な目でロッティとベッキーを見下ろし、床にうずくまるセーラを指差した。 「ほらロッティ、こいつが逃げないように後ろから押さえてろよ。……おい、そこのメイドも手伝え。お前はこいつの足を押さえるんだよ!」 「えっ……でも……」 「早くしろよ! が戻るまでに動かしたらタダじゃおかないからな」 ラビニアの剣幕に逆らえず、ロッティはビクビクしながらセーラの背後に回り、両腕をきつく押さえ込んだ。ベッキーもボロボロと涙をこぼしながら、セーラの細い足にしがみつく。 二人がセーラを床に拘束したのを確認すると、ラビニアは一度お風呂場(バスルーム)を出て行った。 逃げ場のない密室に取り残されるセーラたち。しばらくして、足音と共に戻ってきたラビニアの手に握られていたのは、鈍く光る重々しい金属の輪——ミンチン院長のベッドの上で受け取った、だった。 「院長先生からのプレゼントだよ」 しゃがみ込んだラビニアは、冷たい金属の輪を、拘束されて震えるセーラの首元へ突き出した。 「お前、入学の時から自分がα(アルファ)だって隠してたらしいじゃないか。院長先生、すっごく怒ってたよ。発情した生意気な α(アルファ)には、これがお似合いだってよ」 カチャ……ガチンッ!! ——その瞬間(とき)だった。 「……ッ!? あ、ぁ……っ!!」 突如、セーラの体が弾かれたように大きく痙攣(ぴくぴく)した。本来、 α(アルファ)のフェロモンを強制的に抑え込み、精神を鎮静化させるための拘束具。しかし、すでに Ω(オメガ)へと性反転(ジェンダー・リバース)を起こしていたセーラの肉体にとって、その強烈なα(アルファ)用の負荷は、堰き止められていたΩ(オメガ)のホルモンを爆発させる最悪の劇薬(トリガー)となってしまったのだ。 「はぁっ、はぁっ、あぁぁ……ッ!」 セーラは喉を掻きむしるようにして濡れた床をのたうち回った。異常なまでの動悸。焼け付くような下腹部の熱。視界がグニャリと歪み、セーラの中から最後に残っていた理性の糸が、音を立ててプツリと切れた。 その刹那、密室のバスルームに広がるむせ返るような甘い匂い。それは石鹸の薔薇(ばら)麝香(じゃこう)の重たい香りとは明らかに異なる芳香——極限まで高ぶった、 Ω(オメガ)の生々しいフェロモンだった。 「な、なんだよこれ……すげえ匂い……っ」 「ひっ……セーラくん、大丈夫なの!?」 恐怖で後ずさるロッティの横で、ラビニアも予想外の事態に目を見開いた。 「おい、どうなってんだよ!? これ、 α(アルファ)のフェロモンを抑え込むチョーカーだろ!? なんで逆に発情(ラット)してんだよ!」 完全に理性を失い、ヒート(発情)の業火に焼かれたセーラは、虚ろな瞳をロッティに向けた。 発情の苦しみを鎮めるためには、「番」が必要だ。熱に浮かされた脳は、目の前で震えるロッティを獲物として認識していた。 「あ……ぁ……」 獣のような唸り声を上げ、セーラが凄まじい力で跳ね起きる。 「いやっ! やめて、セーラくん……っ!!」 悲鳴を上げるロッティを、セーラは濡れた床に強引に押し倒した。体育館裏でのトラウマ(2話参照)がフラッシュバックし、ロッティは恐怖でパニックを起こして泣き叫ぶ。 だが、ラビニアはそれを止めるどころか、壁に寄りかかって冷笑していた。 「あははっ! いいぞ、もうどうでもいい! やっちゃえよ! 狂っちまったアルファ様が、底辺のオメガに『番の刻印』を刻む瞬間を見せてくれよ!」 ロッティが汚されるのを、最高の見世物として楽しむラビニア——。 セーラはロッティの細い首筋に顔を埋めると、その白い肌にためらいなく深く牙を突き立てた。 「痛ぁああああっ!!」 ロッティの悲痛な絶叫がお風呂場(バスルーム)に響き渡る。首筋から血が滴り落ちる。ラビニアは目を細め、そこにオメガバース特有の「光るような痣(番の痕)」が浮かび上がるのを待った。α(アルファ)に深く噛み付かれれば、Ω(オメガ)の首には一生消えない服従の証が刻まれるはずだ。 ……しかし。 待てど暮らせど、ロッティの首には生々しい歯型と血の跡しか残らない。 「……は?」 ラビニアの歪な笑みが、ピタリと止まった。 「なんで……痕がつかないんだ……?」 アルファに噛まれれば、 Ω(オメガ)には絶対に痕が残る。痕がつかないということは、ロッティが Ω(オメガ)ではないということか? (いや、それはない。院長先生の秘密の方針で、学園のオメガはこの部屋に集められている。私とアーメンガード、そしてロッティは Ω(オメガ)で間違いないはずだ) ロッティがオメガであるという前提が絶対に崩れないのなら、導き出される論理は一つしかない。噛んだ側が、α(アルファ)ではないということだ。 充満する狂おしいほどの甘い匂い。に対する異常な逆効果。そして、空虚な噛み跡。 すべてのパズルのピースが繋がり、ラビニアの顔に驚愕が走った。 「噛んでも痕がつかない……? おまえ、まさか……アルファじゃなくて、『オメガ』なのか!?」 ラビニアの戦慄の声が響いた、その直後だった。 ——バンッ!! お風呂場(バスルーム)の扉が、外から勢いよく開け放たれた。壊れた扉の向こうに立っていたのは、息を荒らげ、怒りと焦燥に顔を歪めたアーメンガードだった。 「……何やってんだ、お前ら!!」 つづく 7話グラレコ https://fujossy.jp/fanarts/8111 — お風呂場(バスルーム)の扉を蹴破って現れたアーメンガードくんに、(ロッティ)は助かったと思ったんだ。でも、目の前のひどい状況をラビニアが悪意たっぷりに煽り立てた瞬間……アーメンガードくんの瞳は、恐ろしい嫉妬の色に染まってしまった。 「殺してやるッ!!」 怒り狂った彼はラビニアを殴り続け、そのまま地下の反省室へ連れ去られてしまった。 主を失った冷たい部屋で、僕はただ絶望の涙を流すことしかできなかった……。 次回、A-Little-Prince 第8話。 アーメンガードくん、僕を置いていかないで……っ!

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