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#12 アーメンガード♡ロッテイ 濡れ場あり ——ずぢゅ♡*
コンッ、コンッ。
深夜。下働きメイドの部屋、ベッキーとセーラの相部屋の窓ガラスが微かに鳴る。
「……セーラ、窓の外に誰か」
隣のベッドからベッキーが怯えたように囁く。セーラが身を起こして窓の隙間から下を覗き込むと、暗がりから小石を投げていたのはアーメンガードだった。セーラは慌てて窓を少しだけ開ける。
「アーメンガード!? だめだよ、見つかったら退学に……」
「パンを持ってきたんだ。お腹、空かせてると思って」
窓の下から囁き返すアーメンガードに、セーラは短くため息をついた。
「……早く上がってきて。絶対に大きな音を立てないでよ」
セーラが手を引き、アーメンガードが音を殺して窓から部屋へと滑り込む。
「ほら、これ」
「ありがとう。……でも、背中の傷は大丈夫なの?」
アーメンガードはパンを押し付けると、「平気だよ。これくらい何ともない」と、傷を見せてというセーラの話をはぐらかした。昼間の生徒会室でラビニアから受けた鞭の痛みを必死に堪え、少しでも心配をかけまいと気丈に振る舞っているのだ。同室のベッキーの存在に気づくと、アーメンガードは短く目配せをして挨拶を済ませた。
しばらくして、張り詰めていた空気が落ち着きを取り戻した頃。アーメンガードは声を潜め、ずっと気にかかっていたことを切り出した。
「セーラ、君のお父さんのことだけど。少し話を聞かせてもらってもいいかい? 一体、何があったのか」
静かな問いかけに、セーラは少しだけ俯き、やがて密かに抱いていた「疑念」を打ち明けた。
「……僕のお父様が熱病であっけなく死んで、莫大な借金だけを残すなんて、絶対にあり得ないんだ。あの新大陸の事業には……絶対に、何か裏があるはずなんだよ」
「裏……?」
「真相を調べたいんだ。依頼の手紙を弁護士宛に書いたのだけど……でも、ミンチン院長の検閲を通さずに届けることができなくて」
セーラの切実な言葉に、アーメンガードは迷うことなく頷いた。
「おれが何とかするよ。その手紙、僕に預けてくれないか」
「だめだよ。これ以上君に迷惑はかけられない。もしもまたそれが見つかったりしたら……」
「セーラ……、お願い、おれにやらせて!」
それは、この逃げ場のない箱庭で、セーラとアーメンガードが命懸けの「共犯関係」を結んだ瞬間だった。
◇
学園の裏門。
凍てつくような闇夜の中、外套(コート)を深く被り、こっそりと抜け出したアーメンガードは、そこで予期せぬ人物と鉢合わせた。
「……アーメンガード? こんな夜更けに、一人で何をしているんだい?」
「えっ……デュファルジュ先生!?」
大きなトランクを提げ、学園を去ろうとしていたフランス語教師。驚き、何をしているのかと問うデュファルジュを前に、アーメンガードは張り詰めていた糸が切れ、セーラの密書について打ち明けだした。
事情を悟ったデュファルジュは静かに、しかし怒りを滲ませて、昼間の件で院長に抗議した結果、今夜付けで解雇されたことを明かした。
「……そういう訳で、アーメンガード、私は学園を出て行かなくてはならない」
「どうして先生が……!」
「私が学園を追放されるのは、ラビニアの家の莫大な寄付金が理由だ。金がすべてのこの学園では、ラビニアの好き勝手が通ってしまうのさ」
デュファルジュは手紙の投函を引き受けると、学園宛てではまた院長に握りつぶされてしまうからと、返信先を『デュファルジュの家』とし、また返事が来たら必ず伝えると約束した。
「ミンチン院長とラビニアには、くれぐれも気をつけるんだ」
そう言い残すと、デュファルジュは去っていった。
一筋の希望を胸に、アーメンガードは急いで学園の裏口へと引き返していった。
◇
誰にともなく心の中で「ただいま」と呟き、自分の部屋(ラビニア、ロッティとの三人部屋)のドアをそっと閉めるアーメンガード。足音を殺して自室の奥へと進むと、ふと違和感を覚えた。——ラビニアの気配が感じられない。目をやると、彼の領域はもぬけの殻だった。
「……アーメンガードくん?」暗がりから、ロッティの声が響いた。
「ごめんね。起こしちゃったようだね、なんでもないんだよ。もうベッドに戻りな」
そう言うとアーメンガードはロッティの肩を押して、彼のベッドへ向かおうとした。すると不意に、ロッティがすがりつくように抱きついてきた。
「どうしたんだい、ロッティ……?」
「アーメンガード…どんどん遠くに行っちゃうんだね。……もう僕のことなんか、」
——すべてを見透かす捨てられた子犬の涙声。
アーメンガードの胸がチクリと痛む。その寂しげな声を塞ぐように、アーメンガードはロッティの細い身体を抱きしめ、そのままベッドへと押し倒した。
「……んっ、ぁ……アーメンガードくん……っ」
「コエ 」
・
・
・
ゆさ… ゆさ…
——ずぢゅ♡*
・
「あ”……っ」
・
・
・
——ぬちょっ…
・
——ぬちょっ…
・
あっ……////
・
すきだよアーメンガード…… やめないで//
・
「……あ……アーメンガードくん……」
し-! シズカに
・
・
・
シーツの擦れる音と、甘く濡れた吐息が静かな部屋に溶けていく。
——こす…
——こす…
・
・
・
「あっ…ん///」
・
・
・
「う…/////」
背中の鞭傷が痛んだが、そのひりつくような熱が、かえってアーメンガードの理性を甘く麻痺させていった。セーラには決して見せられない仄暗い情欲に身を任せ、言葉を交わす代わりに、アーメンガードはロッティの柔らかい肌に触れ、何度もその唇を塞いだ。
——ぬちょっ…
——ぬちょっ……
——ぬちょっ……
甘く淫らな水音が夜の静寂を破る。
✨
「イッちゃ……/////
・
・
・
・
⚡️ う…/////」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ・」
・
・
——ぬちょっ………
「あ゛っ・ あ”ぁ”」
*
——ぬちゅうううう……
・
・
「ふぅ」
「……はぁ、はぁ……」
◇
熱い余韻の中、同じ毛布に包まりながら、ロッティが満足げにアーメンガードの胸元に頬を擦り寄せる。汗ばんだ前髪を撫でてやりながら、アーメンガードはふと、静まり返った部屋の空気に意識を向けた。この部屋のもう一人の住人は、今夜も戻ってきていない。
「……ラビニア、本当にどこに行ってるんだろうな。最近、毎晩の様に部屋を空けるよな」
「んー……わかんない。でも、こうして2人きりになるのは嬉しいかな…」
ロッティの規則正しい寝息が聞こえ始める中、アーメンガードはぼんやりと暗闇を見つめていた。夜を徹して不在にするラビニアの得体の知れなさと、デュファルジュの残した忠告が、心の奥底に小さなさざ波を立て続けていた。
つづく
12話グラレコ https://fujossy.jp/fanarts/8125
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「デュファルジュ先生が協力してくれるから、もう大丈夫だ」君を救い出す希望とパンを抱えて、おれ は夜のメイド部屋へ向かったんだ。気高く純潔な君を守り抜く。その純粋な愛情だけで、おれの心は満たされていたのに。ドアの向こう……僕の信じていた神様は、もうどこにもいなかった。
(なんだよ、それ……)
持っていたパンが手から滑り落ちる。おれの中で、セーラへの純粋な信仰心が、完全に砕け散っていく音がした。
次回、A-Little-Prince 第13話。
セーラ、君の本当の姿は……そんなに汚かったのか……ッ!
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