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#21 セーラの立ちション

使用人の身分から生徒に戻った、最初の授業。今日がその復帰の初日だったが、一時間目から泥まみれの机を押し付けられるという最悪のスタートだった。 息をつく暇もなく、チャイムが鳴る。 二時間目。うだるような熱気がグラウンドを支配していた。 「今日は異常な暑さだ。熱中症にならないよう、各自しっかり水分を取るように!」 体育教師の指示で、生徒たちが一斉に水飲み場へと群がる。セーラも乾いた喉を潤そうと蛇口に手を伸ばしたが、背後から伸びてきた腕にガシッと肩を掴まれた。 「ダメだぞ、セーラ君。先生が『しっかり水分を取れ』って言ってたろ?」 「アーメンガード……っ」 背後に立っていたアーメンガードが、蛇口のひねりを全開にする。激しい水柱がセーラの顔を打ち据えた。 「ほら、飲めよ。もっとだ。倒れられちゃ困るからな」 「んっ……ぶはっ、もう、いい……っ」 「ダメだ。全然足りない。ほら、もっと飲め!」 アーメンガードの強い力で首根っこを押さえつけられ、セーラは無理やり大量の水を飲まされる。むせ返り、口の端から水を溢れさせながらも、胃がタプタプになるまで冷たい水を流し込まれた。 「よし、偉いぞ。それじゃあセーラ君、次の体育の準備だ。用具室からマットを出してきてくれないか?」 「……っ」 膨れた腹を抱え、水浸しの顔でセーラは体育館の奥にある用具室へと向かった。 薄暗い用具室に入り、重いマットに手をかけた瞬間だった。 ——ガシャンッ!! 背後で重い鉄扉が閉まる音がした。慌てて振り返り、ノブを回すがビクともしない。外からかんぬきを落とされたのだ。 「開けて……! 開けてよ!」 外からはジェシーたちの下劣な笑い声が遠ざかっていくのが聞こえた。セーラは窓一つない、埃っぽい暗闇の中に完全に閉じ込められてしまった。 ◇ 五時間目。 「そういえば、セーラ君を見ないが、誰か知らないか?」 教卓から教室を見渡し、アメリアが尋ねた。 「さあ? サボりじゃないですかね」 ジェシーがニヤニヤしながら答える。 「午前中、泥だらけになってましたからね。恥ずかしくてどこかに隠れてるんじゃないですか?」 アーメンガードが優等生の顔でそう同調すると、教室にクスクスと嘲笑が広がった。アメリアは「まったく、あいつは……」とため息をつき、気にも留めずに授業を再開した。 その頃、用具室のセーラは地獄のような苦しみの中にいた。 無理やり飲まされた大量の水が、完全に膀胱の限界を圧迫していた。冷え切ったコンクリートの床。誰も助けに来ない絶望。下腹部が破裂しそうなほどの強烈な尿意がセーラを襲い、内股になって必死に堪えていた。 かつてダイヤモンド◇プリンスと呼ばれた最後のプライドが、彼に限界を超えた我慢を強いていた。しかし、震える足はもう立っていることすら困難だった。 ◇ 「くくっ……おい、見ろよ」 用具室の扉の通気口の隙間から中の様子を覗き見て、ジェシーが声を殺して笑った。 「あいつ、そろそろ限界じゃねえか? 」 「身悶えしてるやがる…」 アーメンガードの取り巻きたちが意地悪な笑みを交わす。 「そろそろいい頃合いだな、先生を連れてこい」ジェシーが呟いた。 ◇ 「先生、セーラ君がこの辺にいたって話です」 「本当か? まったく、こんな所でサボって……」 外からアメリアと、案内してきた生徒会役員の足音が近づいてくる。 ジェシーが絶妙なタイミングを見計らい、かんぬきを引き抜いて大声を上げた。 「あ、先生! ここにいました!」 ガチャン! と勢いよく扉が開け放たれた。廊下の眩しい光が、薄暗い用具室を照らし出す。 ——その刹那。 静かな室内に、ジョロジョロと情けない水音が響き渡る。 「お前……っ!」 アメリアが目を剥き、激しい嫌悪感を露わにして怒鳴りつけた。 「こんな所で何をしているんだ! 用具室で立ちションなんて、気が狂ったのか!!」 「ちが……これは……っ」 言葉にならない嗚咽を漏らすセーラの背後から、アーメンガードが静かに姿を現した。 「セーラ君……いくらトイレの場所がわからなくなったからって、学校の備品室を便所にするなんて……あんまりです」 わざとらしく眉をひそめてみせるアーメンガード。しかし、その瞳は極上の快楽に打ち震えていた。 「公共の場で排泄を行う異常者」という烙印を完璧に押し付けられ、セーラはただ水溜まりの中で、音もなく崩れ落ちるしかなかった。 つづく 21話グラレコ https://fujossy.jp/fanarts/8139 — どうして余計なことをするのかな、ロッティ。せっかく(アーメンガード)が、あいつにふさわしい最高の地獄を用意してやったのに、タオルなんか掛けてさ。 ……随分と優しいんだな。 そんなにセーラを助けたいなら、お前もあいつと同じように俺の標的(ターゲット)になりたいってことだよね? 次回、A-Little-Prince 第22話。 俺の邪魔をする奴は、誰であろうと絶対に許さないよ。

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