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#24 開幕アーメンガードVSラビニア 狂気の快楽耐久チキンレース
ベッドの下の暗闇で、セーラは息を潜めていた。
頭上から聞こえるラビニアとロッティの穏やかな会話。その和やかな空気を引き裂くように、バンッ! と乱暴にドアが蹴り開けられた。
「……ロッティ、ここにいたか!」
血走った目をしたアーメンガードが、荒い息を吐きながら踏み込んでくる。
「ヒッ……アーメンガード……」
「……おい、ロッティ。お前があいつを連れ去ったって、生徒会の中で噂になってるぞ。みんな血眼になって探してるんだ。このままじゃ、お前の立場がどうなるか分かってるのか!」
怒りに任せて歩み寄ったアーメンガードが、ロッティの胸ぐらを乱暴に掴み上げる。せっかくの獲物を横取りされた苛立ちと、自分の思い通りにならない嫉妬が彼を狂わせていた。
「やめ、やめてっ……!」
その時だった。ラビニアが横からスッと手を伸ばし、アーメンガードの腕をパシッと払いのけた。
「おい。離してやれよ。言いがかりも大概にしろ」
「……あ? なんだよ、負け犬は引っ込んでろ」
「犬はそっちだろ。院長の新しいペットになって、随分と偉そうだな」
火花が散る。かつての絶対的支配者と、現在の支配者。二人のドス黒いプライドが激しく衝突する。
「……いいぜ。そこまで言うなら、ここで白黒はっきりさせようぜ」
アーメンガードが拳をギリッと握り込む。その殺気立った様子に、ラビニアは一瞬、かつて廊下で馬乗りになって殴られた恐怖(第8話参照)が脳裏をよぎり、わずかに顔をしかめた。殴り合いになれば、体格と腕力で勝るアーメンガードには絶対に勝てない。
「野蛮な暴力ではゴメンだね」
「ならなんでもいい、試合でもゲームでも、お前の得意なやつでハッキリさせてやる」
「じゃあ、あのゲームはどうかな? お前も知ってるだろ? 院長先生が好きなあのゲーム」
それは、アーメンガード自身がミンチンと行ったあの狂気のゲーム(第16話参照)だった。互いに快感を与え合い、先に絶頂に達するかギブアップした方が負けという屈辱的なルール。
アーメンガードの口角が、ねっとりと吊り上がる。
「ははっ、いいぜ。望むところだ。俺が勝ったら、今日からお前は俺の『ペット』とからな」
「いいとも。でも……ただやるんじゃつまらない」
ラビニアは制服のポケットから、小さな小瓶を取り出した。中に入っているのは、あの薬——オメガの身体を瞬時に強制発情 へと引きずり込む、劇薬の『α用抑制剤』だった。
「これをお互い呑むってのはどう?」
「……上等だ」
二人は睨み合ったまま、ためらいなく錠剤を口に放り込んだ。数秒後、二人の白い肌が急激に朱に染まり、むせ返るような甘く暴力的なフェロモンが一気に部屋中に充満し始めた。
「おい、ロッティ。お前が証人 だ。カウントしろ」
「えっ……ぼ、僕が!?」
逃げ場を失ったロッティは、震える声で数字を数え始めることを強要された。
——ベッドの下の暗闇。
セーラは、息を呑んで口を両手で必死に塞いだ。つい数時間前まで自分に冷水を浴びせていじめていたアーメンガードと、かつての権力者ラビニアが、薬の熱に浮かされ、セーラが隠れているすぐ真上のベッドに雪崩れ込み、獣のように絡み合い始めたのだ。
かくして、かつての絶対的支配者である元・生徒会長ラビニアと、新たな支配者となった現・生徒会長アーメンガードによる、己の誇りと学園での生存権を賭けた狂気のゲームの火蓋が切って落とされた。
【遊戯規則:快感耐久チキンレース】
一、先攻は、自らが耐えうる「数」を宣言すること。
二、宣言された数を数える間、責め手はいかなる愛撫をも許される。
三、受け手はギブアップ、または絶頂に達したら敗北とする。
四、攻守交替。その際、後攻は前より大きい数を宣言する。
ベッドの下で息を殺すセーラの真上で、地獄のチキンレースが今、始まろうとしていた——。
つづく
24話グラレコ https://fujossy.jp/fanarts/8146
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アーメンガードくんは、僕 の彼氏なのに…。どうしてラビニアとあんなコトしてるのを、僕がレフリーとして一番近くで見せつけられなきゃいけないの……?
……でも、僕にアーメンガードくんを責める資格なんて、ないんだよね。だってついさっきまで、まさにこのベッドで……僕もセーラと、彼には絶対に言えないような秘密のコト、しちゃってたんだから。
次回、A-Little-Prince 第25話。
……どうしよう、罪悪感とヤキモチで、僕の頭おかしくなっちゃいそうだよ……っ!
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