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#45 NTR セーラ♡ミンチンをクローゼットの中から見学地獄
その夜、アーメンガードは一人、ベッドの端に座り込んで思い悩んでいた。
(なぜだ……。どうして院長先生は、突然僕を捨てたんだ……?)
昼間の出来事が頭をよぎる。今夜、部屋に来いと言われたが、その「理由」が恐ろしくてたまらなかった。自分の何がいけなかったのか。必死に記憶を探り、やがて一つの『心当たり』に行き着く。
アーメンガードは引き出しの奥から、こっそりと隠し持っていた一通の封筒を取り出した。
あの日、ミンチンの部屋から持ち帰ってしまった封筒のことを——。※39、40話参照
(もしかして……これを僕が隠し持っていることがバレたのか……? だから、院長先生は怒って……)
もしそうなら、今夜これを差し出して謝れば、また許してもらえるかもしれない。
アーメンガードは震える手で、その手紙を上着のポケットに深くねじ込んだ。
「……行くしかない」
決意を固め、そっと部屋を抜け出すアーメンガード。しかし、その背中を、ベッドの中で狸寝入りをしていたラビニアが、薄く目を開けてじっと見つめていた。
◇
深夜の薄暗い廊下。
アーメンガードの後ろを、ラビニアが小走りで追いかけていた。
「おい、待てよアーメンガード! こんな夜更けにどこ行くんだよ! まさか、またセーラのところに行く気じゃないだろうな!」
「……うるさいな。お前には関係ないだろ」
同じ部屋で寝ていたアーメンガードがこっそり抜け出したのを見て、またセーラへ危害を加える気だと思ったラビニアは、嫌がるアーメンガードを無視して強引について行く。
しかし、足早に歩くアーメンガードが向かった先は、セーラのいる屋根裏部屋ではなくミンチンの私室だった。
「……しつこいな。なんなら、お前もついてくるか? ペットとして」
「は……?」
「院長先生に問いただすんだ。生徒会長から降ろされた件、それから……」
アーメンガードはギリッと奥歯を噛み締め、忌々しそうに吐き捨てた。
「もういい、ついてこい! ただし今度は逃げ出すなよ、以前のようにな!」
強気の態度で虚勢を張るアーメンガード。だが、その瞳の奥には、すべてを失うかもしれないという焦りと狂気が渦巻いている。アーメンガードはラビニアの腕を強引に引き、歩き出した。ラビニアは不気味な嫌な予感を覚えながらも、それに逆らわなかった。
◇
院長室の寝室。
ノックをして扉を開けると、ガウン姿のミンチンが寝酒のグラスを片手に待ち構えていた。
「……おやおや。またペットを連れてきたのかい?」
冷笑するミンチンを前に、アーメンガードは連れてきたラビニアのことなど気にも留めず、必死な形相ですがりついた。
「……教えてください…… 僕の何が悪いのですか、言って……ください……、直しますから……っ」
「しっ」
ミンチンは唇に人差し指を当て、部屋の隅にある大きなクローゼットの扉を開けた。
「まあいい。2人とも中に入って静かにしてろ。……すべてを見せてやる」
「え……?」
言われるがまま、二人は薄暗いクローゼットの中へと押し込まれた。
バタン、と扉が閉められ、ルーバー(羽板)の細い隙間からだけ、かろうじて寝室のベッドが見える状態になる。
しばしの刻が経つ。暗闇の中で息を潜める二人。
コンコンコン、と控えめなノックの音が鳴り、重い扉が開いた。クローゼットの隙間からそれを見たアーメンガードは、ハッと息を呑んだ。
部屋に入ってきたのは、セーラだった。
「……こんな夜更けにどうした、セーラ」待ち構えていたように、甘くねっとりとしたミンチンの声が響く。
「手紙を……」セーラは掠れた声で、まるで自分に言い訳をするように呟いた。
「そうかい。手紙だね」
手紙などただの口実だと見透かしたかのように、ミンチンはセーラの手を取る。
(なっ……!?)
クローゼットの中のアーメンガードは、怒りと嫉妬で頭が沸騰しそうになった。
ガタッ!
思わず拳を握りしめた際、クローゼットの中で微かな物音が鳴ってしまった。
「誰かいるの?」
「気にするな。ただのネズミだ」
ミンチンはごまかしたつもりが、敏感になっていたセーラの視線が、自然とクローゼットのルーバーへと向いた。
「……ッ!」
セーラは全身の血の気が引くのを感じた。
暗い隙間の奥。そこから、ギラギラと光るアーメンガードとラビニアの目が、確実に自分を見つめていたのだ。
(なんて……なんて悪辣な……っ!!)
ミンチンはわざと二人を隠し、自分が喘ぎ、汚されていく姿を見世物にしているのだ。絶望と屈辱で叫び出したくなる。今すぐこの場から逃げ出したい。
「良い子だね……セーラ……」
ミンチンの執拗で暴力的な愛撫が始まる。されるがままに服を剥がされるセーラ。汚されていきながらも、セーラは虚空を見つめ、必死に心を殺す。
(ダメだ……っ。あいつらの前で、狂ったようにイくところだけは……絶対に見られたくない……!)
しかし、ミンチンの指先が急所を暴き立てると、毒に当てられた身体は裏切るように甘い熱を持ってしまう。
(……だめ/////。……賛美歌。賛美歌を歌うんだ、セーラ・クルー……!)
せめてもの最後の抵抗。気高きダイヤモンドの矜持。セーラは押し寄せる快楽の波から精神を切り離すように、ギュッと目を閉じ、虚ろな表情で小さく口を動かし始めた。
♪ 主われを愛す、主は強ければ……
どれほど身体が熱を帯びようとも、決して「快感」には屈しないと。ただひたすらに、嵐が過ぎ去るのを待つだけの「完全なる木偶(でく)人形」。
♪ 我、乏しき、こと……なからん……
それは、神に祈りを捧げる賛美歌だった。身体をどれだけ責められ、ビクビクと跳ねさせようとも、セーラは一切の嬌声を上げず、ただ機械のように焦点の合わない瞳で賛美歌を呟き続けた。快感に心を支配されないための、命がけの抵抗だった。
だが、限界を超えた快楽と屈辱の波に、やがてセーラの精神は耐えきれず悲鳴を上げた。
賛美歌の旋律は途切れ、焦点の合わない瞳からポロポロと大粒の涙が溢れ出す。
「……てがみ……手紙、を……っ」
それはもう抵抗ですらなく、悪夢にうなされるような哀れな哀願だった。
「手紙を、返して……お願い……手紙、手紙を……っ」
快楽に身を委ねて啼くこともなく、ただ壊れた玩具のように、泣きながら「手紙」という言葉だけを繰り返しすがりつくセーラ。
「…………ッ、あーあ」
突如、ミンチンがひどく不機嫌そうに舌打ちをし、セーラの上から退いた。
「つまらんな。今日は」
ミンチンはガウンを羽織り直すと、部屋の隅のクローゼットへ向かい、その扉を勢いよく開け放った。
「ひっ……!」
中から、息を荒げたアーメンガードとラビニアが転がり出てくる。驚愕して固まるセーラを見下ろし、ミンチンは冷酷に言い放った。
「ほら、アーメンガード。お前の愛するセーラだ。お前にくれてやる。好きにしてイイぞ」
——悪魔のような宣告。ミンチンは冷ややかな目でセーラを指差すと、アーメンガードたちに向かって微笑んだ。
「朝までゆっくり楽しむがよい」と冷酷に言い放つと、寝室の扉を外から施錠して、悠々と部屋を出て行ってしまった。
ガチャン、と重い鍵の音が響く。
密室となった豪奢なベッドの上。裸のまま身を縮め、「手紙を……」と涙を流してうわ言を繰り返す哀れなセーラと、息を荒くして彼を見つめるアーメンガード、そしてラビニアの三人だけが残されたのだった。
つづく
45話グラレコ https://fujossy.jp/fanarts/8191
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ラビニアに冷たいチョーカーを嵌められた瞬間、僕 を支配していたドロドロとした狂気が嘘のように引いていった。
呆然とする僕の前に再び現れた院長先生は、セーラの髪を背後から掴み上げ、僕たちに見せつけるように、セーラの真っ白なうなじへと鋭い牙を深く突き立てると番の印を刻んでしまったんだ。
「僕は……取り返しのつかないことを、取り返しのつかないことをしてしまったあっ!!!」
次回、A-Little-Prince 第46話。
推奨BGM:めぐりあい
作詞:井荻 麟・売野 雅勇 / 作曲:井上 大輔
JASRAC作品コード:081-3644-3(出典:J-WID)
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