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#57 セーラ♡ラムダス NTRなラビニア

ガチャリ。 屋根裏部屋の古い扉が開いた瞬間、セーラは乱れたガウンの襟元を必死に掻き合わせ、何食わぬ顔で立とうとした。しかし、その足は生まれたての小鹿のように震え、今にも崩れ落ちそうだった。 「セーラ様? こんな夜更けに、いかがなさいましたか……?」 カンテラの明かりを手に、怪訝そうな顔で部屋に入ってきたラムダス。彼は、主人が自分の元の部屋にいることに驚きつつも、その尋常ではない様子にすぐに気がついた。 「……っ、なんでも、ない……。ちょっと、昔の部屋が懐かしくて……」 強がって微笑もうとするセーラの額からは、玉のような汗が止めどなく流れ落ちている。 オメガの粘膜から直接吸収されたあの『劇薬』——アルファ用の抑制剤が引き起こす強烈な反作用は、とうにセーラの理性の限界を突破し、すべてを焼き尽くすほどの凶暴なヒートの熱となって全身を駆け巡っていた。 「セーラ様、お顔が真っ赤です! どうなさいました……っ!?」 慌てて駆け寄ろうとしたラムダスは、数歩進んだところでピタリと足を止めた。 むせ返るような、狂おしいほどに甘い匂い。それは、オメガが発情期(ヒート)の絶頂で放つ、ベータである彼の理性すらも容易くかき乱すほどに強烈なフェロモンだった。 「ぁ……っ、はぁっ……」 ついに立っていられなくなったセーラは、力なく冷たい床に崩れ落ちた。 視界は赤く明滅し、身体の奥底が溶岩のように熱く疼く。ミンチンによって開発されきった身体と、ラビニアへの支配欲、そこに劇薬の反作用が混ざり合い、セーラを完全に狂わせていた。 (……誰でもいい。この熱を、どうにかして……っ!) 朦朧とする意識の中、セーラの目に映ったのは、心配そうに自分を見下ろすラムダスの姿だった。 その瞬間、セーラの脳裏に、かつて馬小屋でヒートを起こした際、彼がその熱を「処置」して鎮めてくれた記憶がフラッシュバックする。 「……ラムダス……っ」 セーラは震える手を伸ばし、すがりつくようにラムダスのズボンの裾を握りしめた。 「セーラ様……っ、いけません、私は……!」 「お願い……。昔してくれたみたいに、僕を……どうにかして……っ!」 涙でぐしゃぐしゃになった顔を上げ、恥じらいも誇りも捨てて哀願するセーラ。 自らが絶対の忠誠を誓う、気高き主人。それが今、身をよじって自分を求めている。その抗いがたい誘惑と、オメガの強烈なフェロモンを前にして、ラムダスの押し殺していた理性の糸もまた、あっけなく焼き切れた。 「セーラ様……! ずっと、ずっと……こうしたいと願っておりました……!」 ラムダスはカンテラを放り出すと、床に崩れ落ちたセーラを力強く抱き起こし、そのまま背後の古いベッドへと乱暴に押し倒した。 「あっ……! らむだす……っ!」 「お許しください、セーラ様……っ!」 暗い屋根裏部屋に、衣擦れの音と、甘く切羽詰まった喘ぎ声が響き渡る。 かつては主従の一線を越えまいと必死に耐えていたラムダスだったが、一度タガが外れた彼の欲望は、長年抑圧してきた強烈な執着に突き動かされるまま、激しくセーラを貪り始めた。 ◇ ——ギシッ   ——ギシッ ——ガタ   ——ガタ 頭上から降ってくる、激しいベッドの軋み。そして、卑猥な水音と、互いの名を呼び合う生々しい喘ぎ声。 そのベッドの真下の暗がりで。息を殺して丸まっていたラビニアは、両手で自分の耳を塞ぎながら、恐怖と絶望でガタガタと震え続けていた。 「ああっ……! らむだす、そこ……っ、もっと……!」 信じられなかった…… 直前まで、自分を抱き、支配し、全能の支配者のように振る舞っていた気高きセーラが。今、自分のすぐ頭上で、ただの使用人相手に、こんなにも淫らなΩ(オメガ)の声を上げて鳴いているのだ。 自分は、セーラの熱を満たすことすらできなかった。あの薬を飲ませて、自分がセーラにめちゃくちゃにされるはずだったのに。自分はただセーラを極限まで発情させるための「当て馬」に過ぎず、最も美味しいところを、あの忌々しい異国の使用人に奪われてしまったのだ。 「……っ」 暗闇の中で、ラビニアの瞳から大粒の涙がこぼれ落ちる。 しかし、その涙はすぐに乾き、どす黒く濁った感情へと反転していった。 (……許さない) 狂信的だったラビニアの愛情は、頭上で繰り広げられる地獄のような光景と音によって完全に粉砕された。そして、絶望の底から這い出してきたのは——かつてセーラに抱いていた、あの醜悪な憎悪だった。 輝かしいセーラを心の底から憎み、徹底的に虐げていた頃の、あの冷酷で意地悪な自分が再び目を覚ましていく。 ベッドの底板を睨みつけるラビニアの瞳には、昔のような苛烈な敵意と、もう後戻りのできない暗い狂気が、ゆらゆらと宿り始めていた。 つづく 57話グラレコ https://fujossy.jp/fanarts/8208 — 散らばった衣服を拾おうと、暗い床へ身をかがめた、その時です。ベッドの下の薄暗がりで息を潜める『人の顔』と、はっきりと目が合いました。 「……誰だっ!?」 (ラムダス)()が鋭く声を上げた瞬間、そいつは半狂乱で悲鳴を上げ、全裸のまま部屋から飛び出していったのです。 次回、A-Little-Prince 第58話。 まさか……私とセーラ様のあの一部始終を、すぐ真下でずっと覗いていた者がいたなんて……っ!

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