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#60 ミンチンに現場を抑えられるセーラ♡ベッキー

ミンチンが所用で学園を空けた、静かな午後。 豪奢な院長室のソファーに一人腰掛け、セーラは冷たいテーブルの上に置かれた『小さなガラスの小瓶』をじっと見つめていた。 ラビニアが落としていった、アルファ用の抑制剤。オメガが使えば理性を吹き飛ばすほどのヒートを引き起こす代物だ。 ミンチンの庇護下でかりそめの平穏を得て、アーメンガードという絶対の下僕まで手に入れた。しかし、セーラの心の中には、冷たくぽっかりと空いた虚無感だけが広がっていた。 (……誰かに、心が壊れるくらいめちゃくちゃにされたい……) この空虚を埋めてくれるなら、もう何でもよかった。 セーラはふらふらと手を伸ばし、小瓶から小さな錠剤を取り出した。そしてガウンの裾を乱し、自らひどく熱を持った秘所へとそれをあてがう。 すでに甘く潤いきっていたオメガの粘膜に抵抗はなく、錠剤はツルンと容易く最奥へと吸い込まれていった。 ◇ 「……あ……っ、ぁっ……!」 粘膜から直接吸収される薬の効き目は、恐ろしいほど早かった。 数秒と経たないうちに、全身の血が沸騰するような凄まじいヒートの熱がセーラを襲う。視界が赤く染まり、下腹部が溶岩のように熱く疼く。しかし、狂いそうなほど身体が火照っているのに、なぜか心だけがひどく冷たく、飢えていた。 ミンチンの暴力的な支配でも、ラムダスの抱擁でも、ラビニアの狂信でも満たされない心の渇き。 (……ベッキー。……ベッキーに、会いたい……っ!) 理性が焼き切れる寸前で、セーラは扉の外に控えている『完全な下僕』を呼んだ。 「アーメンガード……っ!」 ガチャリと扉が開き、二重のチョーカー(ダブルチョーカー)を首に嵌めたアーメンガードが静かに入ってくる。その瞳には一切の感情がなく、ただ主人の命令を待つ機械のような虚無だけがあった。 「……ベッキーを、ここへ連れてきて。誰にも見られないように……」 息も絶え絶えに命じるセーラ。 かつてはセーラを巡って嫉妬に狂うこともあったアーメンガードだが、今は何の疑問も抱かず、ただ無機質に「……はい」とだけ頷き、再び部屋を出て行った。 ◇ 数分後。アーメンガードに連れられて院長室にやってきたのは、何も知らないベッキーだった。 「セ、セーラ……? どうして私をこんな所へ……」 戸惑うベッキーを熱に浮かされた瞳で見つめながら、セーラは冷たく言い放つ。 「外で見張ってなさい。アーメンガード。何人も部屋へ入れてはなりません」 「……はい」 アーメンガードは恭しく一礼すると、一切の感情を見せずに静かに扉を閉めた。 二人きりになった室内。むせ返るようなオメガのフェロモンが充満する中、セーラはふらつく足でベッキーにすがりついた。 「ベッキー……っ、ああ、ベッキー……!」 「待って、セーラ! ダメだよ、私たち、もう終わったはずじゃ……っ」 セーラの熱い身体を受け止めながら、ベッキーは必死に顔を背けた。 「私にはもう、ロッティがいるんだ……っ。ロッティを裏切るようなことは、できない……!」 「いやだ……っ、僕を捨てないで……。お願い、ベッキー……っ」 セーラは涙をぽろぽろとこぼしながら、背伸びをしてベッキーを強引にベッドへと押し倒そうとした。しかし、ヒートで力の入らないオメガの身体では、ベッキーを押し切ることなどできない。むしろ、本来『受け』であるセーラの本能が、ベッキーの強い腕の中にすっぽりと収まることを切望してしまっていた。 すがりつき、甘く泣き濡れる愛しい人。 その抗いがたい誘惑と強烈なフェロモンを前に、ベッキーの中で必死に張り詰めていた理性の糸が、ついに音を立てて千切(ちぎ)れた。 「……っ!」 次の瞬間、世界が反転した。 ベッキーはセーラを力強くひっくり返すと、ミンチンの豪奢なベッドの上に乱暴に組み敷いた。 「あ”っ」 覆い被さるベッキーの瞳には、かつての優しいだけの従者の面影はない。完全に主導権を握り、セーラを貪り喰おうとする強者の光が宿っていた。 (……ごめん、ロッティ。ごめんなさい……っ) ベッキーは心の中で、自分を慕う小さな少女に深く懺悔した。 (……やっぱり私、セーラが忘れられない……っ!) 「セーラ……っ、セーラぁっ……!」 「ああっ……! ベッキー……好き、好きなんだ……」 もはや後戻りなどできなかった。 主の不在を突いた絶対的な禁忌。セーラとベッキーは、他の誰にも入り込めない二人だけの狂おしい情熱に身を任せ、決して許されない甘美な情事へと深く溺れていった。 ◇ ——しかし、地獄への扉は、あまりにも唐突に開かれた。 「……どういうことだ。なぜお前がここにいる?」 予定よりも早く帰還したミンチン院長が、不機嫌そうに眉をひそめながら私室の前に立っていた。 扉の前には、見張りとして命じられたアーメンガードが無表情に立ち塞がっている。 「……通すわけには、いきません」 「どけ、壊れた人形が」 ミンチンは無機質に立ち塞がるアーメンガードを、アルファの圧倒的な暴力で容赦なく払いのけた。壁に叩きつけられ、崩れ落ちる下僕。 嫌な予感を感じ取ったミンチンが、乱暴に扉を開け放つ。 「セーラ、いるのか……っ!?」 その目に飛び込んできたのは…… ベッドの上で、下賤な元・使用人の胸に抱かれ、これ以上ないほど淫らで幸せそうな嬌声を上げている『自分の番』の姿だった。 「あっ……」 「……え?」 扉の音に気づき、絡み合っていた二人の動きがピタリと止まる。 「……貴様らぁっ……!!」 部屋の空気が、ビリビリと凍りついた。ミンチンの全身から、これまでとは比べ物にならないほどの、どす黒く暴力的なアルファの殺気が爆発する。 「私のベッドで、私の番が……よくも、よくも……っ!!」 それは、かりそめの平穏の完全なる終焉だった。 激怒に狂うミンチンの咆哮が響き渡り、セーラとベッキーは、暗く冷たい地下の反省室へと引きずり下ろされる。 そしてセーラは、二度と他の誰にも抱かせないため、『受け』としての機能を物理的に完全に塞ぎ込む特製の『貞操帯』を強制的に嵌め込まれることになる。 それは、用を足す——排便の際にすら、毎回ミンチンの前に跪いて泣きつき、鍵を開けてもらわなければならないという、究極の不便と絶望的な屈辱を強いる拘束具であった。 甘い情事に溺れた代償はあまりにも重く。セーラは人間としての尊厳すら失う完全なる破滅へと、真っ逆さまに突き落とされていくのだった——。 つづく 60話グラレコ https://fujossy.jp/fanarts/8215 — ラビニアに引きずり出されて、(ロッティ)のお腹に赤ちゃんがいること、院長先生にバレちゃった……!ベッキーが一生地下牢に閉じ込められるなんて嫌だ! 必死にあの『手紙』で助かろうとしたのに、あっさり取り上げられて、もうおしまいだと思ったその時……。 次回、A-Little-Prince 第61話。 「父親は僕だ!」って、セーラが言ったんだ!!

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