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「盗まれた物、無事に戻ってきて良かったね」 「本当に。えげつない量だったんだけど。よくまぁあんなに盗めたもんだな」 呆れもしていたが、面白いと笑っていた。 今まで悩まされていたものが解決したからか、青葦の表情は憑き物が落ちたかのように晴れやかだった。 「月岡、本当にありがとうな。月岡のおかげで犯人分かったわけだし、先生も真面目に聞いてくれるようになった」 「僕はそこまで⋯⋯。けど役に立てて良かった」 笑いかけると青葦も応えるように笑い返してくれた。 心が弾むぐらい嬉しくて、そして切ない。 「けどさ、先生に月岡の描いたやつ見せた時の反応ウケたんだけど。なんで絵? って」 「まあ⋯⋯そんな反応されるよね。今時スマホがあるのにわざわざ描くなんて」 「だけど、同時に褒めてたよな。とても丁寧に描かれているから誰を描いたのか分かったって」 青葦が声を弾ませて言う。 思い出すと嬉しいような褒められてむず痒くも感じて、照れ笑いをしていた。 「俺もそれは思った。前に俺が走っているのを描いてくれたじゃん? マジ写真かと思ったぐらい細かくて、走っているのが分かるぐらい躍動感があって。あれは思わず見るよなぁ。あと俺が寝ているやつも」 思い出すように天井に目を向けてはすげーと言う青葦の言った言葉に、我が耳を疑った。 「今、青葦君なんて言った?」 「え? どこのこと? 自分の走っている姿に惚れ惚れしていて、俺カッコイイってとこ?」 「さっきそんなこと言っていたっけ⋯⋯? いや、そうじゃなくて、青葦君が寝ているスケッチしていたこと! いつ?! どこで見たの!」 「おいおいそんな詰めんなってっ。⋯⋯いつって、犯人のスケッチをする時だよ。ページをパラパラした時に見えたんだよ」 ゆっくりと真正面に向き直る。 嘘。見せないようにしていたのに見えてしまったのか。 マズい。本人に見られてしまった。

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