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「最初見た時見間違いかと思ったけど、何ページも続けて描いてあったから、描いたんかと思った。朝練だけかと思っていたら、あんなにも描いていたんだもんな。俺の事好きすぎかよ」 前にも見た歯を見せて笑っていたが、どこか照れくさそうにも見えた。 「好き⋯⋯」 ぽつりと呟く。 今まで抱いていた気持ちはこれのことだった。薄々気づいていたけれども、この気持ちは知ってはならないと思っていた。人の行動をスケッチして、しかも特に青葦の寝ている姿ばかりスケッチしている人間なんて気持ちが悪いことだろう。そんな人間に好意を抱かれているなんて知ったら、青葦に気持ち悪がれる。 「気持ち悪いよね。青葦君だけ寝ている姿ばかりスケッチしている人間なんて。なんでそんなにも描いているんだよって思うよね」 「いや、別にいいけど」 ははと乾いた笑いが止まった。 え、と顔を上げると真剣な眼差しの青葦と目が合った。 「そりゃあ最初見た時はびっくりしたけどさ、でもいっぱい描いてあるのを見たら、今まで月岡と接していた時に感じた気持ちに気づいてきてさ。初めのうち感じていた他のヤツらのような鬱陶しい視線も、それも悪くないとも思えてきて⋯⋯。だから言うとな、俺、月岡のこと好きなんだ」 ふわっとどこからか吹いた風に前髪が弄ばれた。 今、青葦の口から言われるとは思われなかった言葉を聞いた。気持ち悪いと蔑まれると思っていたし、あんなスケッチばかりを見た時の「好き」は冗談でからかっているのかと思った。 だから、信じられなかった。

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