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エピグラフ(6)

――アルダスは無理が祟って、空気が冷え込んだ日の夜に風邪を引いてしまいました。なんとか店までやってきましたが、体はフラフラで調合もままなりません。  そんなアルダスの不調に気づいたのは、頼んでいた薬を取りに来たミレイユでした。 「いけませんわ。早く治療を受けないと」 「だが、私はお金が無いのだ」  ミレイユは自分の家にアルダスを連れて帰りました。 「あらあら、そんなに着込んで……脱がせてあげますわね」  躊躇うことなく服を脱がし、ベッドに横たえて看病します。アルダスはうなされながらも、鼻腔をくすぐる女の匂いに幸せを感じていました。  ふと気がづくと、ミレイユが自分の手を握っています。しばらく見つめ合った二人。やがて、ミレイユの方から唇を重ねてきました。アルダスにとって、ずいぶんと久しぶりの口づけです。 「風邪を移してしまうよ」 「構いませんわ」  その夜、二人は結ばれたのでした。 『アルダスとダブラー:二人の錬金術師』第5章より

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