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第7話
供米葉太(くまいようた)は、月に一度の楽しみがあった。
祖母のいいつけで、18になってからは龍神の住む神社へ立ち寄ってから帰宅するようにしていた。
この日の楽しみへ向かう、道沿いに龍神社があるので、ついでに鳥居の前から手を合わせるだけはしておいた。
「今日はこれで勘弁してくださ……」
「どこへ行く」
「わぁっ」
龍神社の鳥居の前で、自転車にまたがったまま手を合わせたのが、行儀が悪いと気に食わなかったのか。突然龍神・サカキが姿を現した。
「今日は社に入って来ないのか」
「びっくりした、今日は寄れないけど、明日何か持っていきますよ」
葉太がハンドルを持つと、今度は進行方向をふさぐようにサカキは立つ。
「どこへ行くんだ」
「ラーメン屋です」
「食べ物の店か。私も食べたい」
葉太と頻繁に会うようになってから、現代人の食べ物をとても気に入ったらしい。
「その格好じゃ悪目立ちするから、だめです」
ひとりでゆっくり、好物を満喫する予定だった葉太は断固拒否した。さらに、一緒に行けない理由を並べていく。
「だいたい、社の外に出られませんよね? あと服装だって着物だし、それじゃあ変に目立つから……」
「わかった」
強く白い光が全身を覆ったかと思うと、そこにはいつもの着物をまとったサカキはいなかった。
「……何で高校の制服なんですか」
「葉太を手本にした」
見た目二十代の男が、高校の制服を着ているのは違和感がある。
「服、変えてください」
「なぜだ、葉太とそろいだぞ」
スマホで適当な服装を探してサカキへ見せ、変化し直してもらった。
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