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第8話
夜の営業時間は始まったばかりで、ラーメン店店内の客はまばらである。
全国展開のチェーン店だが、手頃な価格でボリュームあるラーメンを食べさせてくれるので、葉太は気に入っていた。
「髪、くくった方がいいですよ」
白く長い髪に紫の瞳は目立つのだろう。店主も作業の手を止めて、こちらを見ていた。
カウンターへ並んで座った。腰まである白色の髪を指さし、サービス品として置いてある髪ゴムを渡す。
「ありがとう」
後方低い位置で白く長い髪をひとくくりにしたサカキは、カウンター席で隣同士に座る葉太の横顔を眺める。あまりに凝視してくるので、つい気になって声をかけた。
「何ですか」
「立派に育ったな」
「親戚のおじさんですか」
「お前の伴侶だ」
そんな言い方は周りの誤解を招いてしまう。
ちらと店主を見ると、作業を再開しており、聞いてはいなかったようだ。
まばらにいた客も、スマホをいじるかラーメンを食べることに集中しているようだ。
ほっと胸をなでおろしながら、熱くなった頬をさすった。
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