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第18話

 神力の源である、サカキの魂そのものを葉太へ移植する。下腹部にある熱の塊を体内でまとめると、口元まで引き上げた。  小さな口へ塊のまま渡してはきっと危ない。繭から糸をよりあわせるように、熱を細く長くして、口づけながらゆっくりと吹き込んでいく。  葉太の下腹部へ手を置き、そこへ魂の糸をためていけるよう誘導する。  しばらく続けると、サカキは葉太の下腹部に自分の熱が通っていくのを感じた。葉太はぴくりとも動かないが、魂の一部を入れてやったことで、命を取り留めているのかもしれない。 (これでそろそろ半分か)  サカキは、自分の腹に残る生命源の魂の残量をおしはかった。手足の先の感覚が薄れてきた気がする。それでも代わりに葉太が息を吹き返してくれれば、何でもよかった。 「っうわ!!」  ひと息吸い、もう一度口づけようとしたところ、葉太が勢いよく目を覚ます。大きく開いた口元で、サカキの口とつながっていた、魂の糸はぷつりと切れる。サカキの捧げた半分の魂で、息を吹き返した。 「……だ、大丈夫か?苦しくないか…?」  サカキがおそるおそる聞くと、葉太は起き上がろうとしたが、その体力はないらしい。首をあげただけで起き上がるのをやめ、寝転がったままうなずいた。 「……龍が、助けてくれたよ」 「そうか」  それは自分だと言ってもよかったが、弱った状態で伝えては混乱させると思い、サカキは黙っておいた。再びまぶたを閉じた葉太の体を確認するが、静かな寝息を立てているだけだった。 「助かったのか。よかった」  魂を全て捧げるつもりだったけれど、半分残ってしまった。葉太とサカキはひとつの魂を半分ずつ分けて持っていることになる。魂の様子は瞳を見ればわかる。葉太の瞳はサカキと同じ、紫色に変わっていた。  不安定な存在は安定を求めるために、引き付けあう。  今もサカキは、これまで以上に葉太を離したくはなくなってしまった。

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