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第34話 変態研究者は納屋で……成瀬は見た!

 龍樹が家系図を舐め回す様に見てはノートやスマホを広げて、居間を占領するからと、ルルは龍樹を納屋へ連れて行った。  夕飯までの間、成瀬は台所を手伝う。  高瀬は、成瀬の弟に詰め寄られていた。 「半獣化てどんな風になるの?」 「えっと……俺の場合は虎の耳と尻尾が出てきて、牙と爪も鋭くなるな。あと、目も金色になる」 「へぇ、格好良い!シンさん、今も格好良いけど、半獣化したらもっとカッコ良さそう」  成瀬をそのまま小さくしたような弟の春樹は、純粋に笑ってくれ、高瀬はむず痒さを感じながら、笑顔を返した。 「ねぇ、神社でも半獣化したんでしょ?みんなびっくりしたって、神様みたいだったって言ってたよ」 「神様……?」 「うん。綺麗だったって」  成瀬が獣人を見たことが無かったと言っていたから、おそらくこの辺りに、今は獣人が居ないのだろう。  亡くなった仙吉の親友という人が唯一だったのかもしれない。  それならば、高瀬の姿に驚くのも無理はない。  しかし、噂が広まるのも早いが、脚色されていくのも早い。  神と言われる様な雰囲気ではとても無かったはずだ。  キラキラとした目を向けてくる春樹に、高瀬は何も言えずに苦笑した。 「春樹、シンさんを困らせるなよ。料理運ぶのお前も手伝え」 「はーい」  成瀬はお新香の皿を持ってきてテーブルに置くと、窓から納屋を見た。 「俺、ルルさん達呼んできますね」 「あ、じゃあ俺も……」 「寒いからここに居てください。ご飯もすぐ来るし」  成瀬は気を遣ってそう言ったが、高瀬としては一人残される方が気を遣う。察してはくれないかと思う。 しかし、高瀬の家族ともすぐに馴染んだ、コミュニケーションお化けの成瀬には無理だろう。  さっさと縁側の窓から出て、つっかけを引っ掛け納屋へ向かう成瀬に、高瀬は出遅れてしまった。  納屋の二階の部屋には暖房があるとはいえ、一階の倉庫部分と階段から続く狭い廊下はほとんど外気温だ。  薄着で来た成瀬はブルリと体を震わせた。  龍樹の研究は何か進展があっただろうか。  自分と高瀬のことだから、もっと協力できる事はないかと成瀬は考えながら階段を上がっていく。  途中から、ガタガタという物音と、苦しそうな声が聞こえてきた。  二人に何かあったのかと、成瀬は急ぐ。  二階には、大部屋と小部屋がある。  昨日四人で寝ていた大部屋の扉を開けるが、部屋の中は乱雑に資料とノートが広がっているだけで、誰も居ない。  しかし、苦しそうな声は聞こえる。  成瀬が小部屋に目をやると、少しだけ扉が開いていた。 「んっ……あっ……あぁっ……」 「……豪……声聞かれるぞ……」 「んんっ……いじわる……ぁっ……」  扉の隙間から見えたのは、乱れた服の隙間から、薄い胸板にある小さな突起を出した、ルルの姿だった。  壁に手を着いて、羞恥に顔を染め、赤く熟れている突起を、龍樹が後ろから摘んでいる。  隙間の角度から龍樹の姿は見えないが、ルルの体は規則的に後ろから突き上げられているようで、必死に声を抑えていた。  成瀬は、初めて他人の行為を生で見てしまった。  すぐに離れた方が良いのはわかっていたが、体が固まってしまっている。 「んふっ……んっ……えっ……」  ルルが蕩けた顔を扉の方に向け、成瀬と目が合う。  数秒見つめ合った後、成瀬は夕飯ですと呟いて、扉をそっと閉めた。  直後、パチュンと水音が響いた。 「やぁんっ!!たっちゃん、やだ……ケンちゃんが……あぁっ!」  ルルの嬌声が響き、成瀬は熱が籠る体を納屋の外の風にあて、落ち着こうと深呼吸した。  心臓はバクバクと高鳴り、あまり落ち着かない。  今すぐに、高瀬に抱きつきたかったが、居間に戻ったら、家族みんなが揃っていて叶わなかった。  ルル達は少し遅くなると告げて、全員で一緒に夕飯に手を合わせた。

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