2 / 4
第2話
翌日、僕の新しい学校生活が始まった。
どこにでもあるような入学式は粛々と行われ、式が終わると生徒たちはそれぞれのクラスに分かれていく。
僕のクラスにはおよそ二十人ほどのクラスメイトがいた。
思ったよりも多く、正直に言えば驚いた。
しかも隣にはもう1クラスあるらしい。同学年の普通クラスは5つもあるという。
このクラスには、何らかの事情を抱えた者が集められているが、見た目にはまったくわからない。
誰一人顔見知りもいない教室は、静まり返ったまま。
シーンとした空間に、ガラガラッと扉が勢いよく開く音が響いた。
入ってきた教師に全員の視線が集まる。
「まずい……」
僕は思わず小さく呟く。
そう呟いた僕に視線を一度落としてから、再び前に向き直り、号令をかけた。
「起立!」
教師の声にあわせてクラスメイトたちが立ち上がる。僕も慌てて立ち上がり、礼をしてすぐに席に戻った。危なかった……たぶん気づかれていない。
「みなさん、入学おめでとうございます。このクラスの担任の杉田と、副担任の吉澤です」
ドキン、と心臓が跳ねた。
まずい、まずい。
二人とも、一般人に思えないほど爽やかイケメン……。
加藤先生、こんな話聞いていない……担任がこんな美形だなんて……。
「やばい……」
「水野りくさん。体調が悪いなら退室しなさい」
「!!……大丈夫です……」
杉田先生、名簿も見ずに僕の名前を呼んだ?もしかして、もう全員の顔と名前が一致しているのか……?
退室できるならしたい。でも今、立ち上がる勇気はない。
・
・
・
……ホームルームが終わり、今日は下校となった。
ほっと胸をなでおろす。今日は何だか変だ、早く部屋に戻りたい……。
『杉田クラス、水野りくさん。職員室へ来なさい』
……おっと。
入学早々、職員室に呼び出しか……たぶん今の声は吉澤先生だ。
理由は……さっきの挙動不審しかないよな。
――職員室。
独特の緊張感が漂うその空間に足を踏み入れるのは、やっぱり躊躇する。吉澤先生の机の場所もわからない。
「水野りくさん、こっち」
振り向くと杉田先生がいた。職員室の真ん中あたりが、二人の先生の席らしい。ジャージ姿の杉田先生と、スーツのままの吉澤先生――やっぱり二人とも美形すぎる。
「気をつけ 休め」
なるほど、先生と話すときはこの姿勢らしい。
吉澤「どうして呼ばれたか分かるな?」
りく「……挙動不審だったから……」
杉田「クラスで落ち着きがなかったのは、りくだけだったからよく目立ったよ」
前の席だから周りはあまり見えていなかったけど、そんなに目立っていたのか……。必死だったもんな。
吉澤「何があったんだ?」
りく「…………た……たっちゃいました……」
入学早々、このフレーズを言う羽目になるとは思わなかった。
「ぐすん……」
杉田「分かった。りく、別室で話そう」
ともだちにシェアしよう!

