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第4話 尻を褒めるのは礼儀らしい

 テクサンという街に入った。  因みに言語は何故か通じるし文字も読めた。  街の中心に大聖堂があり、オオジリ教の支部らしかった。絶対あそこには近寄らないようにしたい。  オオジリ教の大聖堂のある街なんて住めない!!ここに移住は断念しようという話になり必要なものを買い1、2泊は宿から出ないと決めた。  それにしてもほんとに男同士でイチャイチャしてる。女の子がいない世界だから当たり前だが、男から子供が産まれるのも驚きで街にはお腹の大きい小太りの男もちらほらいたが 「奥さん階段気をつけてな!赤ちゃんが潰れないようにな」  と声をかける人がいて見分けがつかん!! 「あれ妊婦?ただの太ったメタボおっさんかと思った」 「俺も。普通に気付かないな。でも大体細身の人のお腹が膨らんでるのが妊婦じゃないの?」  とイケメンが予想した。流石だ。確かに前の村のあのおっさんの奥さんも細身の男。 「この世界じゃ細身の男が女側になるわけ?うえっ!じゃあ僕も細身だからそうなるわけ?」 「それを言ったら俺だって細身じゃないか!」  そりゃそうだけど僕より背も高いし体格もいいイケメンだぜ?  すると通りすがりのおっさんが僕の尻を触り 「よぉ、少年!いい形の尻してんね!俺とイッパツどうだい!?」  とニヤニヤしながら話しかけてきた!  げっ!まさかの尻ナンパ!?キモ!  そもそも僕は未成年だぞ!?この世界の法律は一体どうなっているんだ!? 「やめろ!変態が!」 「何いい?尻を褒めるのは礼儀だろうが!いい尻を見つけたら声をかけるのは常識だ!」  と言われ僕と門くんはなんか衝撃を受けた。 「そっちのお前は……。うん……まぁ……頑張れな?」  と門くんの尻を見ながら苦笑いしている!!おい、門くんがまたショックを受けている。何度も言うがこのイケメンの尻より僕のが美尻って一体どういうことなんだ!?顔面偏差値も門くんの方が数百倍もカッコいいのに!  絶対に何かおかしい世界である!  とにかくささっとおじさんから離れて路地裏に逃げた。 「な、なんだあれ?尻を褒めるのが礼儀なのか?」 「オオジリ教なんてのがあるくらいだし、君のその救世主の尻といい、なんかおかしい。尻に対してこの世界の認識が異常におかしい!」  と門くんが言い、僕たちは街の図書館に行って歴史を調べようと思った。  しかし図書館はオオジリ教の人が管理しているようで図書館の前には例の尻の銅像がバーンと置かれて一発で関係者と判った。 「おい……あの尻の銅像……」 「間違いなく奴等……」 「なんなんだよ。一体どんな歴史があるんだよ!」  ともかく夜になり図書館が閉まって管理の人が帰ったのを確認して裏口から鍵をなんとか破壊して侵入を試みた。  セキュリティガバガバだな。  ともかく図書室みたいなところで歴史書を何冊か開いてみた。  蝋燭に灯を灯しながら読むと…創世記みたいなやつで 【遙か昔……神の尻を持つ若者がこの地に降りて人々を作った。    美尻から可愛らしい男の子を産みその子もまた美尻だった。  治癒の力を持ち、人々は美尻に癒され救われてゆく。  しかし……長くは続かず、美尻を持つ者が絶えてしまう。  そこで神の代弁者であるオオジリ教の司教様が異世界より美尻の救世主を召喚することにした。  召喚は成功。  人々の為、数年に一度召喚を行うことが慣わしとなる】  僕は本を閉じた。 「なんだこれ!?」 「ああ……めちゃくちゃだな……」  しかも神の尻を持つ者ってなんなんだよ、ギャグかよ!!  ともかくオオジリ教とは離れて関わらない方がいい。  僕たちは本を元の場所に戻してソッと図書館を出ようとして誰か入ってくるのが見えて咄嗟に本棚の奥に隠れた。 「ん?誰かいるのか?」 「何か……気配を感じたが気のせいか……」  少し若い青年の男が二人ランプを置き話し込んでいる。 「例の少年達の行方はまだ分からない。一人は救世主様で一人はクソ尻らしいから殺しても構わんとの大司教様の命が入った」 「殺すなんて……可哀想だよ……。例えクソ尻でも生きていれば何とかなるだろうに。まだ少年だろう?」 「優しいな。マクベス」 「人殺しなんて俺には無理だよ。いつか……オオジリ教を抜けてアランと誰も知らない土地で暮らしたい!」  ドンという音とバサバサと本の落ちる音がして 「マクベス!……そんなこと絶対に人前で言うなよ?殺されるぞ。オオジリ教を抜けるなんて……」 「分かってるよ……アラン。本当はもう寝る時間だけどここに来た。アランとお尻付きしたくて!」 「お尻付きは月曜と木曜って決まってるからな。規則を破るなんて悪い子だな。マクベスは。……まぁ、誘いに乗ってこんなとこに来ちまった俺もどうかと思うが」 「見つかったら俺もお仕置きを受けるさ。例え尻の皮が剥けるまで鞭で打たれたって!  オオジリ教……の聖典のある場所でアランとお尻付きしたいの!ね?いいでしょ?」 「ふふ、汚れたオオジリ教徒め!お仕置きだ!……こっちにおいで。優しくお尻叩きしてあげるよ」  とそのまま僕と門くんはこいつらがヤッてる隙に何とか抜け出して裏口から出た。  一息ついて思い出しても気持ち悪いと思った。  何がお尻付きだ。しかもオオジリ教を抜けたら殺されるってどんだけだよ!!頭がおかしいだろ! 「………やはりこの街に留まるのは危険だな」 「………また俺の尻をクソ尻って言ってたよ……」  とちょっと落ち込む門くん。 「あいつらの言うことなんか気にするなよ。変な教団だし」 「でも……そんなに俺の尻をクソと言われるとだんだんムカついてきて……」 「ああ……元の世界では門くんモテそうだもんね?女の子とかにも人気でしょ?」 「………俺は熊倉くんのことしか好きじゃない」  うわっ!イケメンにまた告白された!  やだなー、宿に帰るの。気まずいだろ。 「………熊倉くん……。いや……匡人くん……俺の尻、汚いのかな?クソ尻らしいし……」  とめっちゃ気にしてる!! 「いや……ほんと気にすることないよ。門くん」  バカらしくらなってきたので帰ろうとすると腕を掴まれて 「匡人くん……俺の尻どっかおかしいかもしれないから見てくれないか?」 「えっ!!?」  嫌だよ!何で僕がそんなこと!!男の尻なんて見たってなんもいい事ない!! 「ここは暗いから宿に帰ろう!」  と手を離さず門くんは歩き始めた!!  ひいいい!

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