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第7話 門くん尻特訓をする

 門くんと変な雰囲気になった。  ていうかあんまり喋らなくなった。  僕が女の子を好きだと言ったから?  いやでも、この世界……女の子いないんだよねぇ。  そうなると僕はどうなる?  そういえばこの世界男性でも妊娠するしわけわからん。そもそも両方男なのに何故!?  という疑問だらけだ。もしかしてこの世界の細身の男はガタイのいい男とは違ってまさかの女の子の身体みたいになってるとか!?  いや、見た目からして皆ついてるように見えるしやはり男にしか見えない!!  前世で腐女子がBL好きってのは知ってる。  うちの妹もそうだった。なんか薄いBL本いっぱい持ってるの見たことある。  そもそも門くんは何で僕のこと好きなわけ?ずっと見てたとか言ってたけど痴漢したし。  元の世界でこんな地味ちびどんぐり頭がモテるわけない。言っとくが本当にモテたことはない!!  モヤモヤ考えていると村についた。  シラナヤ村。  村の中央で男達がガヤガヤしていた。  野次馬になり覗いてみると  テーブルの上にあの尻に似た果物がカゴに積まれ置いてあり優勝賞品と横に文字がある。 「いいぞーやれ!!押し出せ!!」  とワイワイ言ってる方は  少人数でなんか小さい円に入り、屈強な男達が下半身に際どいふんどしみたいなパンツを穿き尻相撲みたいなのをしていた!!  後ろから見るとくい込みがえぐい。 「やれー!ロック!」 「そこだ!メイトン!!」 「今だ!サーラン!」  と三人のマッチョ風の男達が尻相撲をして一人脱落した! 「あーーー!メイトン選手脱落です!!」  メイトンは地面に拳を打ちつけ悔しがっていた。 「あの変な果物をかけて勝負しているらしい」 「見りゃわかるよ……」  と僕が言う。久々に会話した。  出ている屋台で焼き鳥らしき串焼きを見つけたが金を持ってないので諦める。  適当な場所に座り観戦していると青年風のマッチョが話しかけてきた。何故か上半身裸でテカテカしていた。ボディビルダーの人みたいにムチムチで僕が隣にいるのを見てニヤリとした。 「やあ!こんにちは!旅人さんかな?俺はヘイズン!!いいお尻だね!!」  と早速褒められてチラ見されていた尻の布を隠した!門くんを見ると眉を下げ何も言わなかった。  門くんは不機嫌になった。  声にすらしないが明らかに怒りのマークが見えるようだ。 「あの……こんにちは……」  と応えるとヘイズンさんは 「今年はオオジリ教の持ってきたあのシリシリの実が賞品だから必死だ。シリシリの実は街でしか手に入らないけど、あんだけあれば食うのに困らない!」  と言ったのでギョッとした!何でだ!?ただの果物じゃないのか!? 「あれそんなに値打ちが?」 「なに言ってんだ?シリシリの実は一家繁栄と富をもたらす奇跡の実だぞ?」 「それって迷信とかじゃないんですか?」 「いんや、実際に効果がある。昔、貧乏だった男が力をつけ選手になり優勝して村のヒーローになりあの実を奥さんの尻に塗ると子宝に恵まれてその種を庭に埋めるとシリシリの実が成り、富に恵まれるようになった。……まぁ、オオジリ教が実を買い取ってくれるからな。  それに実を持つ家はオオジリ教に入信できる!オオジリ教の財力は世界一だ!給金もいい!!都会に引っ越して毎日毎日楽な暮らしができる!奥さんも沢山作れるらしい」  と男は恍惚に言う。  オオジリ教に入れば男は奥さんを沢山持つこともできると?なんじゃそら!?どうせ男だろ?全員。  しかしオオジリ教の名がここまで!!この世界にどれだけいるんだ!?  てかあのオオジリ教ってそんな金持ちなのか。入信したら金に困らないのか。畜生、あの実を売れば少し金になったのか。最初食べてしまったことに後悔した。  結局勝負は終わり一人のマッチョが残り皆から拍手され奥さんらしき男が飛び出して抱きついて喜んでいた。  門くんは僕の服とボロボロの自分の服を見て 「匡人くん……お金を何とか稼いで服をまず買わなきゃ。来る時に金なんて持って来なかったし……」  すると近くで聞いてきたヘイズンさんが 「おいおい、訳ありか?若いの。……金が欲しいってんなら今週行われる尻バトルで勝ち残れば貰えるだろう。旅人でも参加可能だよ。シリシリの実はないけどな」 「あの……いつもこんな戦ったりしてるんですか?」  と聞くと首を振る。 「いや……たまたまだよ。尻バトルは年に数回。今日のは村ができた創立記念なんだよ。  ともかく勝った者は金が貰える。そっちの兄ちゃんは…弱そうな尻してんな…。そんなんじゃ恋人を守れないぞ?」  と僕を見て言う。やめてくれ。本当に。  門くんは苦い顔をし 「あの……俺にどうか勝つ方法の秘訣みたいなの教えてください」 「ズルはダメだぜ?イカサマしたら村の広場で吊るし上げられて尻叩きの刑だからな?」  うわっ!なにそれ!!公開処刑!? 「……俺……ずっとクソ尻と言われ続けて来たんです!どうにか俺の尻強くなりませんかね!?」  と門くんがわけわからん尻への強化をしようとお兄さんに提案している!!  なんだよそれ!!  尻を強くする特訓!?なんの少年漫画!?  いや尻だし!! 「そうか……確かに兄ちゃんの尻はあまり良くないな。そんな中途半端な尻じゃクソ尻と呼ばれても仕方ない!いいだろう、俺が特訓してやるよ!」 「あ!ありがとうございます!!」  と門くんが活路を見出したようにキラキラし出した!  それからはヘイズンさんの家に泊まらせてもらうことになった。  ヘイズンさんは僕らに服を貸してくれた。  やっとこの尻見えの変な服から解放される!!  燃やしてやりたい!!  *  それから……ドインドインとヘイズンさんと門くんが尻相撲の特訓を始め、僕は死んだような目でそれを眺めていた。 「くううっ!」  よろけて範囲内の枠からはみ出してしまった門くん。とても悔しそうにするイケメン。悔し顔もいいな。女の子が見たらきゃーきゃー言ってるだろう。 「まだまだだな!もっと尻を引き締めて力を込めるんだ!!」 「は、はい!師匠!!」  と門くんが言う。……これ何の特訓?ああ、尻の特訓だった。バカらしい。  夜、あてがわれた部屋で門くんは尻を押さえていた。 「うう、ヘイズンさん、容赦がない!!匡人くんにはわからないだろうけど……。正直尻相撲をなめてた!  ヘイズンさんの尻……筋肉で鍛えられてて強い!鎧のようだ!あれに押し出されると踏ん張りが効かなくて円の外に押し出されてしまう!  くそ、倒れて尻餅ついた時にいろいろ痣ができたかも!」  と言って普通に尻を見せてきた!! 「……本当だ痣が……治そうか?」  と言うと門くんは首を振る。 「いや、ヘイズンさんにバレたらヤバイ」  門くんもヘイズンさんにあのふんどしみたいなやつ借りて食い込ませて尻相撲頑張ってるもんな。  僕にはとてもできない!! 「でも…せめて匡人くんが撫でてくれたら嬉しい。ごめん、好きな子がいるのに……」  とボソリと言う。  あんなの嘘なのに!  僕は撫で撫でと尻を撫でてやる。 「ま、匡人くん!!ど、どうして?」 「別に意味はない。痛そうだったから……」  と言うとイケメンがウルウルした。  やめんかい!! 「明日も俺頑張るから!!そんでバトルで優勝して金を得てもう誰にもクソ尻なんて呼ばせない!!」  と決意した。  ……クソ尻のことめっちゃ気にしてる……。

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