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十二月③・狭いバスルーム

ホテルのエレベーターの中で「今夜も感覚を鋭くするための協力、しようか?」と呟いてみた。 できるだけ軽く聞こえるように、期待に満ちた感情を押し殺して。 寮以外の場所ではしないと言われる可能性もある。 少し心配だったが、圭吾は恥ずかしそうに俯いて「はい。お願いします」と答えてくれた。 ケーキを部屋の冷蔵庫に入れ「俺からシャワー浴びていい?」と訊いて、小さな湯船にお湯を張る。 いつもは寮の大浴場に入っているから、脱衣所も洗い場も酷く狭く感じる。 頭を洗いながら、圭吾の言うセックスの効果について考えた。 圭吾とする拙いセックスは、イヤらしいキスをして、身体中を撫でるように触って、胸の突起を指で摘んで舐め、潤滑ジェルをつけた指で窄まりをほぐす。 顔を見られるのが恥ずかしいと圭吾が言うから、いつも背後から挿れ、馴染むまでをやり過ごし、後はただただ俺の欲望をぶつける。 最後には、圭吾は自分のものを握り二人一緒に吐精する。 初めて身体を交えてからまだ三ヶ月。 週に一回の行為に余裕はなく、圭吾のことを思い遣るより、自分の興奮が先に立ってしまう。 俺の行為に進歩はないのに、圭吾の乱れ方は、回を増す毎にイヤらしくなって、より気持ち良さそうに身悶えている。 こうして気持ち良くなることが、感覚を鋭くすることに役立っているのだろうか? そんな因果関係、あるわけないのに……。 考えているうちに、圭吾が蕩けるような表情で放つ嬌声を明確に思い出してしまい、股間がムクムクと反応してしまった。 このままではバスルームから出られない。 そんな言い訳を自分にしつつ、頭も身体も泡だらけのまま下腹部を握り、ゆっくりしごき始めた。 一度出しておけば、今夜は余裕を持って、ゆっくり対峙できるかもしれないから……。 突然、コツコツと軽くノックをされ「ねぇ光夜」とバスルームの扉が開いた。 形を変えたものを握ったままの俺と、制服を着たままの圭吾の目が合い、大変気まずい。 圭吾の手には入浴剤の小袋が握られていた。 アメニティのセットから見つけて、持ってきてくれたのだろう。 圭吾は黙って入浴剤を俺に渡してきた。 そして唐突に制服を脱ぎ始める。 驚いて「え?圭吾」と戸惑っている間に、裸で狭い洗い場に入ってきた。 「あ、あの。今夜はクリスマスだから……」 そう言ったかと思うと、俺の足元にしゃがみこみ、反り勃ったものをパクっと咥えてきた。 「け、圭吾っ!」 圭吾の口の中は熱く柔らかく、何より上目遣いで見上げてくる誘うような視線に射抜かれた。 俺のものは更に大きく硬くなってしまう。 咥えている圭吾自身も興奮しているようで、俺のものを唇で挟んで出し入れしつつ「んっ、んっ」と口から甘い音を漏らし続ける。 圭吾のワックスで固めた頭を撫で「ど、どこで覚えたの?上手すぎ」と上擦った声で問いかけた。 口いっぱいに頬張っている圭吾は返事などできず、艶っぽい息継ぎをただただ繰り返す。 先端に舌をねじ込もうとしたり、裏筋を舐め上げたり、口の奥まで咥え込んだりされるのだから、きっともう先走りが圭吾の口の中を汚しているだろう。 「あっ、もう、もう、離して、け、圭吾。で、出るから、圭吾っ」 根元を握っている圭吾の手を無理やり剥がすこともできず、喉に向かって勢いよく放ってしまった。 あろうことか圭吾は、そのまま飲み下そうとする。 ゴクリと喉仏が動き、嚥下しきれなかった一筋が、口の端から溢れ出た。 それを赤い舌がペロッと舐めとるのを直視してしまえば、淫靡さにクラクラと酔わされる。 「あぁ、もう!」 シャワーの蛇口を捻り、自分の泡を流し、寒そうな圭吾が温まるよう湯を掛けてやった。 「口開けて。ほら、ゆすいで」 口の中にもシャワーを注いでやる。 バスルームが湯気でモウモウとし、室内が暖まってようやくシャワーを止めた。

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