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第9話
×××
ピンポーン……
チャイムの音がし、洗濯物を干す手を止める。
玄関のドアスコープから外を覗くものの、人影らしきものは見当たらない。
「……」
ジャワジャワ、ジャワジャワ……
ざらりとしたものが、胃の裏を撫でる。
まさか、あの男が……
肥えた男が脳裏を過るものの、あの体型でピンポンダッシュが成功するとは思えない。そもそも、そんな子供染みた悪戯なんてするだろうか。
ドアから離れ、眩い光に満ちた真っ白な部屋に戻る。
と──
「……やぁ」
窓から射し込まれる陽光を背に、50代くらいのスーツ姿の男性があぐらをかいて座っていた。
「会うのは、あの日以来だね」
「……」
「そこにつっ立ってないで、こっちに来なさい」
穏やかな口調。白髪混じりの細い髪。
優しそうに細められる垂れ目。
手招きをされ、ふらりとその男性──建設会社の会長さんの元へと一歩、また一歩と近付く。
「ほら、君の席はここだ」
指定されたのは、会長の膝元。
何の疑いもなく顔を合わせたまま会長の肩に両手を付き、そこに跨ぐ。
「はは……可愛いね。君とはまた、こうして話がしたいと思っていたんだよ」
「……」
「うんうん。若葉さんに負けず劣らず可愛くて、いい匂いをしてるねぇ」
嬉しそうに微笑んだ顔を、僕の鎖骨へと寄せる。
細い腰に手が掛かると、身体のラインを堪能するかのようにお尻や腿裏をじっくりと撫でられる。
「……」
……おかしい。
会長ともあろう人が、男を──しかも、こんな子供に欲情するなんて。
「若葉さんから、君の事を頼まれてるって話を前にしたことがあっただろう。当面の生活費と職の斡旋は、その為だとも」
「……」
「実はね、交わした約束がもうひとつあってね。
君が何かひとつ要求する度に、私も一度、君を好きにしていい──というお許しだよ」
──グッ、
言うか言わないかのうちに、ショートパンツの裾から手が入り込む。
その指先が行き着いたのは──臀部の間にある小さな窄まり。
……え
窓から降り注ぐ光が強くなり、僕の身体を包む。その途端、剥き出しになる裸体。
「……ぁ、あぁっ、ん……!」
会長の肩に腕を掛け、背を仰け反らせ、与えられる快感を逃そうと熱い息を吐く。
腸壁を弄られながら、男としての役割を果たした事のない僕の肉茎を激しく擦られる。
「イヤラシイね、君も。年甲斐もなくこのまま犯してしまいたくなるよ……」
ぐちゅ、ぐちゅ、……じゅぷっ、
僕の鼓膜を犯す淫靡な水音。会長の吐息。
不意に唇を塞がれ、侵入した舌が咥内を搔き回す。それをどうする事も出来ず、舌を差し出して許しを請う。
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