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第16話
カチャンッ、
鍵を開けると同時に、ドアノブを下げる。
重く開くドア。射し込む光。
外から新鮮な空気が入り、開放感で満たされ──
──ガキィィッ、
僅か10センチほど開いた所で、ドアが止まる。
───え、
外の世界を遮断する、ピンと張ったチェーン。
その瞬間──希望が絶たれ、背筋が凍る。
「……」
真っ白になる脳内。
震える吐息。
ドクドクと心臓が酷く暴れ回り、絶望に震える手で静かにドアを閉める。掛かったチェーンを外そうとするものの、上手く抓めなくて。指先が酷く悴み、ガチャガチャと音が鳴るだけ。
「……!」
直ぐ背後に感じる、不穏な気配。
喉に引っ掛かる息を何とか落ち着かせながら、ゆっくりと振り返れば……
「……よくも、騙したな」
バシャ、
顔面に向けてぶちまけられる、冷えた液体。
咄嗟に片手で庇うと、その腕を掴まれ強い力で引っ張られる。蹌踉けて廊下に倒れ、膝と肘を強く打つ。
「簡単に逃げられると思うなよ」
四つん這いの僕の肩を掴み、ボロ雑巾か何かのように乱暴に引っ剥がす。そして僕の腰上に跨いで上から押さえつけると、濡れたトップスに手を掛け、強引に捲り上げる。
「君はキララだ。ボクが生み出した、世界一可愛いボクのキララなんだ!」
「……」
「それと、君の家はここだ。ここなんだ。……わかったかっ!
もうあの男の元には帰さない。君の居場所は、ここ以外に無いんだよ!」
太い指を何度も指しながら、激しく責め立てる。顔を真っ赤にし、荒々しい息を繰り返して。
「……」
突然の出来事に、息が止まる。
視界が次第に白けていき、突き立てられた指先だけがハッキリと見える。
幼少期──母から理不尽に怒鳴られた時の感覚が蘇り、身体が硬直して動けない。
……ごめ、なさい……
そう発してしまいそうになる唇が、僅かに震える。
「……そうだよ、キララ」
瞬きをして視界をクリアにすれば、僅かに瞼を開き闇を孕んだ黒い眼が、僕をじっと見下ろす。
「解ればいいんだ。
この可愛い顔も、この可愛い乳首も……全部、全部ボクのものなんだって」
震える肌の上を這う、湿り気のある男の指先。露わになった乳首を弾いた後、キュッと抓む。
反応を確かめるように顔を寄せ、反対側の小さな膨らみを口に含む。
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