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第17話
……狂ってる……
僕を、キララという仮想キャラか何かに染め上げようとしてる。
そう、思っているのに──
太腿に押し付けられる硬いモノ。
男の舌が芯を持った小さな膨らみを執拗に潰し、ヂュッと吸い上げる。
本能的な快感が末端まで走り抜ける中……背後から迫る暗闇に、突き落とされていく感覚に陥る。
……もう、逃げられない。
抵抗する気力が削がれ、顎先を僅かに持ち上げる。
まるで、湿度の高い空気に溺れているかのよう。息をする度に、酷く苦しい。
いっそこのまま……この男の玩具として生きた方が、楽なのかもしれない。
次第に停止していく思考。
冷えていく脳内。
濡れた頬に伝う熱い涙。
硬いモノを押し付けられながら、絶望の淵に身を沈めていく。
「……」
だけど……
脳裏を掠めるのは──切れ長の瞳に優しさを滲ませ、僕に笑いかける竜一。
竜一、竜一、竜一……
本当はずっと、一緒にいたかった。
竜一と一緒に生きて……一生添い遂げたかった。
やっと……
やっと始めた同棲生活だったのに……こんな形で終わるなんて。
……ごめんね。
こんな、不甲斐ない僕で……
ピチャッ、ピチャッ、くちゅくちゅ……
剥き出された男のモノを、懸命に頬張る。
腹の贅肉が顔にのし掛かり、苦しくて。圧で息ができなくなる度に、歯を立ててしまいそうになるのを堪えながら。
「……ハァァ、最高だよ。もっと強く吸って……そうそう」
「っ、……!」
「吐いたり囓ったら、お仕置きだからね」
僕の顔を潰すかのように、男が更に前傾姿勢になる。
「今だって、お仕置きなんだよ。
ボクを無視して、ボク以外には身体を許してきたんだから、ね」
「──ッ!」
グンッと切っ先が伸び、喉奥を突かれる。
その途端、鳩尾の中がうねり、嗚咽と共に酸っぱいものが迫り上がる。
本能的に男の太腿を掴めば、それに反応した男が上体を起こす。
「……よく、頑張ったね。キララ」
涙と鼻水でぐしゃぐしゃの頬に、肉厚の指が触れる。
それだけで、もう許されたんだと……心が震える。
「吐かずに耐えて、偉いよ」
まだ果てていない、反り勃つ怒張が引き抜かれる。先走り液の糸を引き、咥内から離れていくそれに喪失感が生じ、不安なまま男を見つめる。
「お仕置きはこれでお終い。
次はボクの愛で、キララを気持ちよくさせてあげるからね」
頬に触れていた手が、汗で濡れた前髪を優しく掻き上げる。
……嬉しい……
許されている事に、酷く安堵する。
身体の震えは止まらないし、気持ち悪くて……吐き気さえするのに。
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