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《第2章》楓くんの自問自答 問1②
三人掛けのソファに座らせて脚を開かせても、抵抗らしい抵抗はほとんどなかった。
「服、汚しちゃうよ、楓くん……」
一応、自分はその気になっていません、という態度を取ってはいるものの、脚の間に座り込んだ楓を見下ろしてくる黒い瞳の奥には、欲望の炎がチリチリと燃え上がっているのが見えた。
「別に問題ありませんよ。洗えばいいだけの話ですから。先輩はこの新しい下着、汚されるのと汚されないの、どっちがいいですか?」
「下着……?」
いまいちよくわかっていなさそうな雪希に、文字通り口で説明してやる。
もっとも、言葉は使わない。下着の上から、舌を這わせたのである。
「……っ、……!?」
「あれ? もう勃ってますね。期待してたんですか?」
「ち、ちが……っ!」
赤とピンクの下着が、唾液に濡らされていく。
そのうち、くっきりと形が浮き上がるくらいになった。
「は、ぁ……」
うっとりと目を伏せている雪希は、すでに快楽の虜となっていた。
「えっちな染みができてきましたよ」
唾液とは違う染みが、ハート柄の生地を濡らしている。
中はもうぐちゃぐちゃになっているかもしれない、と思うと、今すぐ下着の中に手を突っ込んでやりたくなったが、楓は息を吐いてこらえ、ジーンズを脚から抜いてやる。
日に焼けていない、生白い脚があらわになった。
筋肉がさほどついていない脚は、細いが女性的な曲線美はない。
人に見せるために磨かれていないそれは、本人が言う通りただ細いだけであったが、たいして手入れされているわけでもないのに汚いという印象はなく、男の欲望の眼差しに晒されて震えるさまは、妙になまめかしくもあった。
片脚を持ち上げ、膝の裏に口づけると、くすぐったそうな声があがる。
「かえでくん、きたないよ」
どこに口をつけても、この人はたいていそう言う。
「どこがですか?」
自分のことを汚いものだと思い込んでいるのだ。こんなに無垢なのに。
徐々に唇を移動させながら、内腿に何度も口づけた。
痕は残さない。ただ、優しく愛でるように触れる。
脚の付け根にまでたどり着く頃には、濃厚な性の匂いが漂ってきた。
顔を上げると、とろんと潤んだ瞳が楓を見下ろしていた。
「イっちゃいました?」
「まだ……」
「へぇ……」
下着の縁ギリギリの薄い皮膚に吸いつく。
「んっ」
きわどいところを舐めながらも、いじらしく下着を押し上げる屹立が可哀想になって、握ってやった。
「あ……っ」
ただそれだけで、雪希は悩ましげに眉根を寄せて、可愛らしい声をあげる。
布にこすれた先端が、いじらしくひくひく震えているのが伝わってきた。
「かえで、くん……っ、おねがい、パンツ、脱がせて……ねぇ……」
「なんでですか? 気持ちよさそうですよ」
「やだ……ぐちゃぐちゃで気持ち悪いよ……」
「ぐちゃぐちゃにしたのは誰ですか?」
「あ、ぅ……っ、ん……っ」
自信なさげで控えめな雪希の態度は、普段から可愛いが、こういう時は、やけに官能を刺激してくる。
相手は後輩なんだから、もっと強く命令してもいいはずなのに、弱々しくお願いしてくるあたり、可愛すぎて、逆にいじめたくなる。
「脱がせたあと、なにをしてほしいのか教えてくれたら脱がせますよ」
「なに、って……?」
「もう触らない方がいいですか? 手でしごいてあげた方がいいですか? 舐めてあげた方がいいですか? 優しく刺激してあげた方がいいですか? 激しく追い上げてあげた方がいいですか? そのあたり、詳しく」
「な……」
恥じらいで真っ赤になった雪希は、視線を泳がせる。
「か、かえでくんの、好きにしていいよ……」
「そうですか? それなら、この素敵なパンツの中で気持ちよくなってる先輩が可愛いので、脱がせないでこのままいじってもいいですか?」
「それは、だめ……っ」
雪希は物欲しげに腰を揺らした。
「口でも手でもなんでもいいから、楓くんに直接触ってほしいよ……」
弱々しい声で、それでいて欲をあらわに、雪希はねだってくる。
「へぇ……じゃあこういうのはどうですか?」
ちゃんとおねだりができたら口でゆっくりじっくり可愛がってやるつもりだったけど、気が変わった。
お望み通り、雪希の腰から下着をずり下ろしてやると、先走りでどろどろになった雪希の陰茎が剥き出しになった。
愛液まみれでぐちゃぐちゃに濡れた下着を足元に投げ捨てると、楓は自らのウエストのボタンを外して、すでに主張を始めている一物を取り出す。
「え……?」
戸惑う雪希ににこりと優しく微笑みかけると、腰を押しつけてやった。
「あ……や……っ、かたい……っ」
「そうですね。先輩があんまりにもえっちなので、興奮しちゃいました」
剥き出しの性器同士をこすりあわせる。
雪希の方がだいぶ濡れていたから、ローションがなくても、すべりはよかった。
性急すぎると自分でも思ったが、雪希がどんな反応をするのかと考えたら、我慢できなくなってしまったのだ。
「あっ、ん……っ、お、おおきい……かえでくんの、おっきいよぉ……っ」
「そういう台詞は、挿れてから言ってもらえるとありがたいんですが」
笑みを浮かべながら、張り出した部分で雪希の裏筋をこする。
すると、おもしろいぐらい大量の先走りが溢れ出してきた。
この人は、同性愛を題材にした創作をしていても自分が同性愛者になることはまったく考えていなかったはずなのに、男の象徴を押しつけられても、嫌悪するどころか、気持ちよさそうに喘いでいる。
にもかかわらず、あさましいというより、いじらしいという言葉の方がよく似合うから不思議だ。
「ご、ごめん、かえでくんのおちんちん、こんなに濡らして……」
場違いな謝罪。
謙虚というか、ちょっとずれてるのだ、この人は。でもそんなところが可愛くてたまらない。
「大丈夫ですよ。オレも濡れてますから」
「ほ、ほんと……?」
「触ってみてください」
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