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第2話 通路
洞窟への道はアオが知っている。背に揺られて洞窟の前に着くとアオは一人で帰って行く。
今日は摩利彦と月夜見、二人が乗って来た。
普通に東京に行くには在来線に何回も乗り換えて、新幹線にも乗って、また、東京駅から地下鉄か、山手線か、に乗って、面倒だ。
洞窟を歩いて行く。この通路をどんどん歩いて行くと正面にガラス張りの扉がある。
もう、賑やかな明るいあの倶楽部が見える。
二人は精一杯のオシャレをしてやって来た。
ネット環境はあるのでいろいろ研究している。
太い袴みたいなスウェットに緩いシャツ。
月はベルトで締めたジーンズにオーバーサイズのTシャツ。通販で買ったユーズドだ。ボロっぽいけど高かった。出雲の山奥でやっと手に入れた。
髪も摩利彦は金髪でフワッとカットされたツーブロック、月夜見は長髪で一つに結んでいる。どこか、稔彦の面影がある。
カチッとした黒服で稔彦が迎えてくれた。
(やべっ、スーツだったんじゃね?)
「摩利彦は神社を放り出して来たのか?」
久しぶりに会う父は厳しい目で見てくる。
「ちゃんと後継が育ってるんだ。
海幸と山幸の双子に頼んで来たよ。」
稔彦はかっこいい二人に、嬉しくなった。
「あの、綺麗な人はいないの?」
「ああ、ミトの事か。ミトは自分の家に帰ったよ。たまにロジャーと顔を見せてくれるけど。」
「ロジャー?」
「ミトの彼氏だ。すごく素敵な人。」
ミトはロジャーの元に帰った。
「お父さん、俺たちどこへ行けばいいの?」
稔彦はこの倶楽部で用意された近所のマンションに住んでいる。
「あとで連れて行くよ。飯食ったか?」
クラブの中は、まだ宵の口か、あまり混んではいない。食事のテーブルを用意された。
「何か食べたいもの、あるか?」
「うん、俺、もんじゃ焼き食べてみたい。」
「あはは、明日だな。ここにはないよ。
なんかパスタとかでいいか?」
「はい、ありがとう。」
行儀がいい子供たちに、稔彦はくすぐったい。
「酒、飲むか?」
「まだ、18才だから飲めないよ。」
「ふん、真面目か。」
「宅飲みじゃないんだからまずいよ。」
「神社では御神酒を飲んでたから、
俺たち結構イケる口だよ。」
「神様に叱られるな。」
「神様はお酒大好きだよ。特に酒飲んでどんちゃん騒ぎするのが好きなんだ。」
山では神様が降りて来て宴会が始まるそうだ。
「大黒ちゃんとかすごい酒豪だ。
俺たち鍛えられてるよ。」
「ああ、八百万(やおよろず)の神様は大らかだからな。」
宴会に神様が混ざる事はよくあるという。
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