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第8話 魔法?
こんなゲームに神経衰弱なんて大層な名前を付けたのは誰だ?ま、単純なルールの方が飽きられなくて中々終われない。
今の季節は4時には白々夜が明ける。3人で遊んでいたが鮫島がソワソワしている。
「私はもう帰ります。
稔彦さんが迎えに来るでしょうから。」
何か急いで帰って行った。
入れ替わりに稔彦が入って来た。
「おまえたちはやっぱり子供だな。
健全にトランプやってたのか?」
「お疲れ様。稔彦、恋人は?」
「ああ、ミカドは朝が弱いんだ。
帰ったよ。俺たちも帰ろう。」
稔彦の住まいは歩いて行ける近くのマンションだった。
一方、ミカドは遮光カーテンを閉め切った真っ暗な自分の部屋でベッドに入ろうとしていた。
疲れた顔を鏡で見る。そこにはウンザリする老人が写っていた。
「あの子は綺麗な張りのある顔をしてたわ。
ツヤツヤの肌が気持ち良かった。
ああ、時間が止まらないかしら。
いえ、戻らないかしらね、20年くらい。」
昼の自然光の中ではもう隠せない。年老いた自分の身体にミカドは絶望する。
暗い部屋で日が暮れるまで眠ろうと努力する。
もう眠剤も効かないのだ。
「不思議なのはあの倶楽部に行くと、若さが漲って来ることよ。肌は張りを増すし,体も柔らかくなる。何より、セックスで感じるのよ。
これがなくなったら私はおしまいだわ。」
そう言って弾力のない萎れた乳房を揉んでみる。シリコンを入れた乳房はもう力がない。
「若いうちよ、セックス出来るのも。
男が勃たなくなる事だけじゃないの。
気持ちがなくなるのよ。」
それでもミカドは今夜は幸せだった。
若い男に求められたから。
「楽しかった。いつも稔彦も激しいけど。
絶対にこの姿を見せないようにしないと。
親子両方を騙すのは心苦しいわね。」
ほっそりしたシルエットは今でも美しいミカドの面影を残している。
年がわからない。自分の年がわからないのだ。
「死なない人がいるんですって⁈」
「そう、九十九里の白浜ベースに玉梓という
ご婦人がいる。彼女は美しいまま生きてるよ。
推定年齢数百才だ。」
「バカにしないでよ。
そんなのあり得ない。周りが騒ぐでしょ?」
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