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第16話 初めての学校
二人とも派手な髪だったが、編入試験の時、何も言われなかった。
「金髪有り、かよ。」
二人は初めて学校という所に来た。
もちろん情報としてはその存在は知っている。
同じ年頃の人間が集められて青春というモノを実演する所だろう。
「高校って15才から18才くらいまでの未成年とかを集めて教育するんだろ?
どんな教育だよ。様々な問題点が指摘されてるな。」
摩利彦の予想に月夜見が
「ネット情報だけを鵜呑みにすると間違える事があるよ。」
「俺のフィジカルAI、ミレーユちゃんはフェアな娘だよ。」
「どうしたっておまえに寄せたアルゴリズムで、
忖度してるよ。
客観的っていう言葉をインプットしないと。
俺のスパイダーは辛口だぜ。」
AIに固有名詞をつける事ですでにこちらの気持ちに寄り添った回答を出すだろう。
出雲での暮らしに足りなかったのはあくまでもマンパワーだった。生身の人間の。
傷つけて来ない人々に、あるいは神々によって学んだ事は今一つ、ぬるくて足りなかった。
多少の小競り合いはあっても人間の負の力、悪意を向けられる事は経験がなかった。
摩利彦と月夜見は、教養としての格闘技を、死なない程度に,それでも厳しく叩き込まれた。
今まで怒りのパワーがわからなかった。
三年生の1学期、途中からおかしな時期に編入して来た、金髪とロン毛の背の高い男二人は悪目立ちしていた。
一日目、担任の紹介で教室に入って来た二人は
窓際の1番後ろの席になった。
ヒソヒソと話す声がする。みんな勉強する気は無さそうだ。30人ほどのクラスの半分は女子だ。
編入して来たイケメンに興味津々だった。教師の話を全く聞いていない。
後ろからいきなり摩利彦が、髪を掴まれた。
振り向きざまに思い切り顔を狙って肘をぶち込む。
「グチャッ!」
鼻の潰れた音。
「ウゲェッ!」
ダラダラと鼻血が止まらない。
金髪を掴んだ手が離れる。
「抜けるだろ。
あーあ、何本か抜けたぞ、俺の金髪。
ハゲたらどうすんだよ。」
教室の後ろで溜まっていた数人の男子がのそりと立ち上がって取り囲んで来た。
女子たちが叫び出した。
「ヤバいよ、こいつら怒らせたら。」
「先生はどこ?呼んでこよう!」
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