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第26話 違和感

 後から摩利彦が合流した。タスクを追い抜いて 「なんだおまえ、家こっちか?」  言いながら素通りしていった。まるでタスクなんか眼中にない、と言わんばかりの摩利彦の態度だった。尾行が尾行になっていない。  追い抜かれて置いて行かれた。茫然と立ち尽くす。綺麗な人が振り向いて 「須佐兄弟のお友達じゃないの?」 「大丈夫、学校が同じだけです。」  そう言って歩いて行ってしまった。 (そうだ、俺はただ、学校が同じ人だ。 彼らの特別な存在になりたい。)  タスクはそんなことを思った。  遠くから見ていても、綺麗な人と須佐兄弟の三人は違和感があった。  何だろう? タスクの勘があの綺麗な人は女じゃない、と言っている。    この界隈のトランスジェンダーなら叔父貴に聞けば大抵わかるだろう。  タスクは『ディアボラ』へ叔父の円城寺隼人に会いに行った。  夕方開店まではまだ時間がある。社長の円城寺はいるだろうか?  アポも取らずに直接訪ねた。黒服が 「おう、いらっしゃい。一人? 社長に用があるの?中に入って待ってて。」  エントランスには誰もいない。 ここは広くて綺麗な控室がある。下の階には託児室もある。オーナーの考えで至れり尽くせり,だった。オーナーは有名な不動産王の女性社長。  叔父貴は雇われ社長だ。 (託児室って事は子供連れで働けるって事だ。)  タスクは嬉しくなった。早速光一に話して見ようと思う。まだ、生まれてもいないのに。 「ようっ、珍しいな、おまえ一人?」 「そうだよ。叔父さんにちょっと聞きたいことがあって。今日すごく綺麗な人に会ったんだ。  犬連れてた。デカいチワワ。 その人の事を知りたい。年は俺より少し上に見えた。」  綺麗な人ってだけじゃわからない。しかし、特徴のある犬だ。 「デカいチワワなら有名だよ。犬が有名。 デカいチワワならそれは尊さんだ。  おまえの勘は合ってる。」  やっぱり違和感は正しかった。きれいでも女性とは違う。  どこが違うか、うまく説明出来ない。 「この界隈で女じゃなくて綺麗と言えば、尊さんとミカドだな。ミカドはもう年だが、尊さんは28才くらいか、と思うよ。」  連絡先はわからない、という。

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