41 / 48

第41話 海斗

 タスクのクラスの花森登美が大沢翔と歩いてくる。翔は親が青山で高級輸入雑貨の店をやっている。いつもオシャレでセンスがいい。  花森登美も親がキャバクラを数店、経営していて、夜遊びにも寛大だ。それでも二人は、距離を取って初心(うぶ)な感じだ。そもそも翔は女の子に興味がない。待ち合わせても手を繋いで家まで送るだけ。そんな二人といつも近い奴がもう一人。  駒沢海斗。青山一丁目で育った。親が勤めているガス会社の社宅。地味で堅実なサラリーマン家庭で育ったが、環境が派手だった。  高校時代、アルバイトは外国人相手の終夜営業のスーパーマーケットだった。 『ドアーズ』  夜中にオシャレな遊び人や外国人たちが買い物に来る。売っているのも珍しい外国製品だ。よく芸能人と遭遇した。  商品は驚くほど高額だ。 「海斗、今日バイト休みだろ。暇?」 翔に聞かれた。 「暇だよ、なんかあんのか?」 「新しいギター買ったんだよ。 触りに来ない?」  高校には一応軽音部がある。軽音楽研究部。 軽音楽っていう言葉がなんかダサい。  海斗も翔も,軽音部。 「あ、私も見たい。」  同じ高校の花森登美が乗って来た。 「じゃあ、俺はいいよ。バイト行こうかな。」 「海斗が来ないんだったら,また今度にしよう。」 「なんだよ。翔、つまんない。」  登美がふくれている。 登美は翔を彼氏だと思っているが翔は昔から女の子が苦手で、海斗が気になる。 (男だけど海斗はきれいだ。細くて繊細。 俺は女の子の柔らかすぎる身体が気持ち悪い。)  タスクが社会勉強だ、と言って仲間たち全員を招待してくれた。  ホストクラブ『六本木 ディアボラ』 「いらっしゃい。佐(タスク)さんのお友達? なんだか楽しいね。チェリーの匂いがする。」  ゲイっぽいホストのジミーが言う。 「若いエキスが溢れてる。」 そう言って腕を取られて席に案内された。  スーツ姿のカッコいい光一が挨拶に来た。 「決まってる!光一似合うよ。」  照れくさそうに笑っている。 「光一と良太は、ホストになったんだなぁ。」 「あんまり嬉しくないよ。 もう青春は終わったな。」 「何言ってんの? 予定日いつ?」

ともだちにシェアしよう!