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第62話 タスクの家

「俺の家、ここから近いから、寄ってく?」 タスクに誘われて好奇心から付いて行った。  駅の向こうは普通の住宅地だ。叔父さんがホストクラブなんかやっていても、タスクと家は派手さは無い。歩いて行くとまあまあ立派な家に着いた。  門があって横から入ると車が停まっている。 「これ、俺の車。」  レクサスだった。お坊ちゃんか? 「ただいまぁ!」  上品な女性が出て来た。 「いらっしゃい。タスクのお友達? これからお料理教室なのよ。  お食事して行ってね。 あなた達の分はキッチンにあるから。 どうぞお入りください。」 「お邪魔しまーす!」  靴を揃えて玄関から入る。  「おまえ、グッチのビットローファー、 学校に履いて行ってるのかよ。」 「ああ、履きやすいんだよ。」  摩利彦の贅沢さにタスクは驚く。  タスクの母は忙しそうだった。 「おふくろ、料理研究家なんだよ。 奥のスペースで生徒さんに教えてる。」  マダム関口のケータリングのスタッフだそうだ。摩利彦も名前だけはかろうじて知っていた。  予約の取れないケータリング、で有名だ。  「俺の部屋は離れになってるから。  廊下をまっすぐ進んで。」  摩利彦は普通の家を知らない。神社で育ったから純和風の暮し方だった。  初めて訪ねたタスクの家はかなり裕福に見える。あの沼田のお屋敷とは違う。家庭の匂いのする豪邸だった。  廊下の外れ。離れのタスクの部屋は、若者らしく散らかっていた。 「ごめん、俺、片付けの能力がないらしい。  適当に座ってくれ。ベッドに腰掛けて。」 (ああ、男の子の部屋なんだな。 なんかよくわからないものが溢れかえっている。  机の上は荷物置き場だ。) 「あの香水の匂い、残ってるね。 媚薬なんだろ? なんか、ナンパに使った?」 「俺、間に合ってるよ。 わざわざナンパしなくても。 困ってない。」  ベッドの上はまだ、ものが溢れてないので、ゴロンと寝てみた。タスクの匂いがする。  オシャレないい匂い。 「摩利彦、美人だな。」 「えっ,俺?」 「男は好きか?」 「おまえ、そっち?」 タスクは 「俺はまあ、強いて言うならバイ、だな。」

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