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第67話 教室
いつもの日常だ。
あの日以来タスクは摩利彦に話しかけない。
何だか話しかけにくいのだ。摩利彦も距離を置いているようだ。二人でホテルに行ったなんて誰にも知られたくない。
摩利彦は月夜見にも言わなかった。
「摩利、この前、深夜に帰って来たけど、どこに行ってたの?」
別に隠す必要はなかったが、何となく言いそびれてしまった。
「月はご機嫌な恋人が出来たんじゃないのか?」
「恋人なんて、そんなんじゃないよ。」
それでも月夜見は、ピアノを欲しがって父親の稔彦に買わせている。
マンションの二人の部屋にアップライトピアノが来た。一部屋、防音工事をしてもらって、熱心に練習している。
「友達連れて来てもいい?」
稔彦と摩利彦の許可をもらって楽しそうだ。
数日後、月夜見が海斗を連れて来た。
「海斗じゃん!月がピアノ再開してやる気出してるよ。」
「摩利彦は、タスクと付き合ってるんでしょ?」
「えっ?別に付き合ってないよ。
タスクはモテるじゃん。俺なんか、相手にしてくれないよ。」
彼らのクラスは、ホストのバイトを始めたり、この所浮き足立っている。担任が
「おまえたち、就職も進学もしないからといって
乱れた生活をしてはいかんぞ。」
生徒たちは全く耳を貸さない。
「自立して金を稼いで親を納得させれば
いいんじゃね?」
この高校は大分緩やかではある。
席はあの時のまま、月夜見の後ろにタスクだ。
タスクはずっと月夜見が気になっていたのに、なんでか、兄の摩利彦とホテルに行った。
あの時以来,摩利彦もよそよそしい。学校で見かけても無視を決め込んでいる。
悔しいからタスクも忘れたふりをして、月夜見に心惹かれた頃を思い出そうとしている。月の
無垢な所に惹かれていたはずなのに。
何か、自分の手で月夜見まで汚してしまったような気がする。
摩利彦はエロくて魅力ある男だ。それも忘れられない。学校で見かけると身体が疼く。
月夜見に対する純情と、摩利彦に抱く性の疼き。両方ともタスクの気持ちなのだ。
(なんであれ以来、摩利彦は俺を避けるんだろう?俺が嫌いなのか?)
それでも、目の前の席にいる月夜見から目が離せない。
「俺は先の事なんか考えられないよ!」
声に出して叫んでしまった。
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