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第72話 ディアボラ

 タスクは摩利彦を誘ってディアボラに来た。 月夜見と海斗も一緒だ。 「いらっしゃい!」  円城寺社長が嬉しそうに飛んで来た。 「今日は若いエキスを堪能できるな。」 「キモいな、言い方。」 「みんなピチピチのイケメン男子だ。 タスクの同級生?」 「ああ、摩利彦と月夜見は兄弟だ。 同じクラス。」 「えっ、じゃあ双子?」 「いえ、母が違うんです。」 「やるねぇ、君たちのお父上。」  月夜見は父の派手な女出入りが恥ずかしかった。月は、摩利彦が父譲りの女誑しだと思っている。 (俺は摩利とは違うよ。誑しじゃない。)  翔がマネージャーの淳に 「俺の知り合いだから席に付きたい。」 と耳打ちした。海斗の席に行きたかった。  登美にはうんざりだ。どうやって今夜のアフターを撒こうか、と考えていた。  摩利彦は店を見回して 「なんか、早い時間だからかな? 高校にいるのと顔ぶれが変わらない。」  光一と良太が挨拶に来たので益々学校っぽくなった。 「この店、ウチの高校でモッテルわけじゃないよね。」 「高校生に払える金額じゃないよ。」  奥のVIP席にポツポツと常連が集まり始めた。妙齢のご婦人方はみんなどこかで見た事がある有名人ばかりだ。 「有名人だ?女優さんとか。」 「あんまりジロジロ見るなよ。出禁になるぞ。」  円城寺が気を利かせてみんなのテーブルにシャンパンを届けた。 「これは店からです。 あまり飲み過ぎないように、ね。」  みんなほろ酔いになって緊張感がほぐれてきた。翔が海斗から離れない。海斗は月にくっついていたい。 「俺は、ホストクラブなんて初めてなんだ。」 「みんなそうだよ。海斗は男が好きなんだって?」  狐に言い寄られて思わず口走った言葉が仲間内で拡散されている。  ホストの零士がそばに来て耳元で 「あちらのお客様がお呼びです。」  登美がこっちを睨んでいる。 タスクが気付いて 「花森じゃん、多賀谷も。 こっちに来て合流しよう。」  スタッフに耳打ちしてグラスを運んでもらう。  いつも学校で話題のイケメン軍団が勢揃いだ。

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