72 / 90
第72話 ディアボラ
タスクは摩利彦を誘ってディアボラに来た。
月夜見と海斗も一緒だ。
「いらっしゃい!」
円城寺社長が嬉しそうに飛んで来た。
「今日は若いエキスを堪能できるな。」
「キモいな、言い方。」
「みんなピチピチのイケメン男子だ。
タスクの同級生?」
「ああ、摩利彦と月夜見は兄弟だ。
同じクラス。」
「えっ、じゃあ双子?」
「いえ、母が違うんです。」
「やるねぇ、君たちのお父上。」
月夜見は父の派手な女出入りが恥ずかしかった。月は、摩利彦が父譲りの女誑しだと思っている。
(俺は摩利とは違うよ。誑しじゃない。)
翔がマネージャーの淳に
「俺の知り合いだから席に付きたい。」
と耳打ちした。海斗の席に行きたかった。
登美にはうんざりだ。どうやって今夜のアフターを撒こうか、と考えていた。
摩利彦は店を見回して
「なんか、早い時間だからかな?
高校にいるのと顔ぶれが変わらない。」
光一と良太が挨拶に来たので益々学校っぽくなった。
「この店、ウチの高校でモッテルわけじゃないよね。」
「高校生に払える金額じゃないよ。」
奥のVIP席にポツポツと常連が集まり始めた。妙齢のご婦人方はみんなどこかで見た事がある有名人ばかりだ。
「有名人だ?女優さんとか。」
「あんまりジロジロ見るなよ。出禁になるぞ。」
円城寺が気を利かせてみんなのテーブルにシャンパンを届けた。
「これは店からです。
あまり飲み過ぎないように、ね。」
みんなほろ酔いになって緊張感がほぐれてきた。翔が海斗から離れない。海斗は月にくっついていたい。
「俺は、ホストクラブなんて初めてなんだ。」
「みんなそうだよ。海斗は男が好きなんだって?」
狐に言い寄られて思わず口走った言葉が仲間内で拡散されている。
ホストの零士がそばに来て耳元で
「あちらのお客様がお呼びです。」
登美がこっちを睨んでいる。
タスクが気付いて
「花森じゃん、多賀谷も。
こっちに来て合流しよう。」
スタッフに耳打ちしてグラスを運んでもらう。
いつも学校で話題のイケメン軍団が勢揃いだ。
ともだちにシェアしよう!

