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第73話 ジャンパンタワー
「金曜日、恒例のシャンパンタワーが始まります。」
ひときわ賑やかに始まったのは、レオンのファンの太客たちが交代で注文する、毎週金曜日の豪華シャンパンタワーだ。
「なにこれ!綺麗!
すごいグラスが積み上げられてる! 」
ホストたちがダースで運ばれて来たシャンパンを開けて上から上手に注ぎ始めた。
ほとんどこぼさず何本も瓶が空いていく。
零士の掛け声で、
「ありがとうございます。
本日は、マダム関口の関口麗華社長からです。
愛するレオンに、と、アルマンドで10段タワーを頂きました!」
レオンが赤くなってボトルを注ぐ手伝いをしている。
「すごいね。レオンって綺麗。」
「ずっとうちのナンバーワンだよ。
ナンバーツーが凍夜さんだったんだけど、
今は休んでる。」
凍夜本人は辞めたつもりでも、円城寺が未練たらたらなのだ。
「いつか、戻って来てくれると思ってるんだ。」
身内のタスクが教えてくれた。
一晩に数百万の金が動く、現実離れした場所だ。
高級シャンパンのグラスがお裾分けで回って来る。ホスクラ値段で100万円からするアルマンドを惜しげもなく振る舞ってくれる。
「美味しい!」
登美が一口飲んで声を上げた。
光一も良太もスマートなホストになってお客様を接待している。
タスクば摩利彦が手にシャンパングラスを持って誰かと話しているのを眺めていた。
「かっこいいなぁ、グラスを持つ手がサマになってる。」
(摩利彦って何者?)
知ってるようで何も知らないのだ、と気付いた。こんなホストクラブなんて、高校生なら誰でも不慣れな場所だ、と思うのに摩利彦はあまりにも馴染んでいる。
「もう遅いから帰ろうかな。月はどうする?」
海斗と楽しそうに何か喋っていた月夜見は
「うん、帰ろう。」
立ち上がった。
「あらぁ、タスク。隼人の所に友達,連れて来たの?」
タスクの母が関口社長と共に来ていた。母はマダム関口のスタッフだったから。円城寺社長の姉に当たるタスクの母。父とは離婚していたから円城寺姓を名乗っている。タスクも親権は母が持っているから円城寺佐なのだった。
「今、帰る所。」
こんな所で母親に会うのは気まずい。
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