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第77話 ファッションに目覚める

 部屋に残された月夜見と海斗とタスクは、手持ち無沙汰に積み上げられたファッション雑誌を手に取って眺めていた。  メンズ雑誌もあった。カップルコーデの特集もあった。  パラパラと見ているうちに3人は夢中になってしまった。 「俺もヘアスタイル変えてみようかな。」 「ああ、カラーも冒険したいな。」  あの服、この靴、話は尽きない。 「俺、こんなに服装や外見を気にした事なかったな。なんか楽しい。」 「翔がスタイリストやりたいって言うのもわかるな。おもしろいもん。」  しばらくすると、ヘアメイクが終わり、洋服も着替えたオシャレな女が二人、部屋に入って来た。 「えっ、おまえたち、さっきと別人だ。」 「すっげえ美人になったな。」 「俺たちのクラスにこんな可愛い娘、いたんだな。」  タスクと海斗が腰を抜かさんばかりだ。 妖狐と玉藻がやって来て 「この娘たち、素質があるわ。 この短い時間で見違えたでしょ。」  そこに摩利彦から電話がかかって来た。 月のスマホだ。 「もしもし。ふーん、そう。 そっちに来いって? あのクロードとユーツーが来てるって?」  月夜見が 「これからある倶楽部に案内します。 そこにクロード・レイが来てるから紹介してくれるって。」 「えっ?クロード・レイ⁈ あの世界的なファッションデザイナー!」 「そう言えばユーツーとレイは同性婚してるんだった。」  夢のような急展開についていけない二人だった。 「行ってらっしゃい。うちの裏の洞窟から行けば近道よ。」  妖狐も笑って送り出してくれた。 男三人を従えて登美と佐里は外に出た。  もう誰もこの二人の女性があの登美と佐里だとは気がつかないだろう。  そこにポッカリと洞窟があった。奥の方は明るくにぎやかだ。 「歩いて行くのよ。男たち、ちゃんとエスコートしなさいよ。」  男たちは高校生と言えども、ホストクラブに遊びに来たからにはキチンとスーツで決めていた。  中々の男っぷりだ。粒揃いのイケメンたち。 円城寺社長が欲しがるはずだ。  そして魔法にかかったように美しく変身した登美と佐里だった。  玉藻の用意したハイファッションに身を包み、 今まで知らなかった大人の世界に足を踏み入れた。まるでシンデレラだった。

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