79 / 90
第79話 クロードとツー
「今夜は登美ちゃんにクロード・レイを紹介するよ。ちょうど日本にいたから。」
登美はクロード・レイの名前だけは知っていた。いつも翔が憧れているデザイナーだ。
(クロード・レイとお話ししたなんて翔に言ったら驚くな。)
「こちらの美しい女性たちを紹介してくれないか。」
クロードが自らそばに来た。登美は娼婦と勘違いされていないか、と身構えた。摩利彦が
「登美ちゃん、新手のナンパじゃないよ。
クロードはゲイだ。女性に手は出さない。
ただ、美しい存在に興味があるんだ。」
「あ、ど、どうも。」
通訳の女性を連れて来ていた。
「ボクの通訳をしてくれるジェニファー岡井だよ。日本とイタリアのハーフ。元男性。」
クロードは驚くことを言った。胸の大きいセクシーな女性は男だった。
クロードはテーブルを見ると
「ボクに合わせてイタリアンですね。
あとで極上のピッツァを焼かせましょう。
いい土釜があるんですよ。」
意外と饒舌なクロードに登美たちは肩の力が抜けた。
ひとしきりクロードのイタリア自慢を聞かされてみんな楽しくなって来た。
摩利彦が本題に入った。ユーツーを紹介する。
「登美ちゃんはユーツーを知ってる?」
「ええ、雑誌で見た事があります。
東京コレクションとか。」
クロードが
「ユーツーはボクの奥さんなのね。
ボクは男の人が好きなの。」
ても、浮気はしない、と言っている。
(綺麗なカップル。)
「あのぅ、私の友達がスタイリスト目指していてクロードさんのファンなんです。
今はホストをやっていて、一度その店にクロードさんとユーツーさんをご招待させていただきたいのです。」
登美は大胆なことを提案している自分に驚いた。
(わぁ、わたし、なんて事を!
こんなすごい人が来てくれるわけないよね。)
思わずタスクの方を見た。タスクは、登美にわかった、と頷いた。摩利彦も
「ディアボラなら六本木一の高級ホストクラブだから、クロードも気にいるよ。登美ちゃん心配しないで。」
夢のような時間はあっという間に過ぎた。登美と佐里は時間の感覚が麻痺してしまった。
「お約束しましょう。近いうちにご連絡を差し上げます。ぜひディアボラに行ってみたい。
きっとイケメン揃いなんでしょうね。」
ともだちにシェアしよう!

