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第80話 夢のような時間

「そろそろ送って行くよ。 クロードと約束できたし、翔に話せるでしょ。 明日は学校があるし。」  登美と佐里は自分の家を説明した。少し距離がある。鮫島がやって来た。 「お送りしますよ。店の車で。」  歩いて外に出た。前庭が従業員の駐車スペースになっている。  すごい車がずらりと停まっていた。中には運転手が待っている車も。  新型のクラウンのドアを開けて鮫島がいる。 新型のセダンはスマートでカッコいい。 「鮫島の車?」 「はい、まあ、倶楽部の車ですが運転は主に私がします。」  帰りはショートカットせずに普通の道を行った。  登美が言った。 「この服で帰ったらママが驚くかな。」  佐里が心配そうに 「お母さん、びっくりしちゃうな。」  二人ともスタイルが良くてピンヒールを履きこなしていた。高校生の年頃はみんなこんなに綺麗なのか。伸びやかな手足。綺麗な肌。オシャレなデザイナーズブランドの服が似合っている。 「この服と靴、それにバッグまで貰っちゃって良かったのかな。」 「サイズがぴったりだったから、もう二人のものだよ。」  一緒に送ってもらうタスクと海斗が言った。 「夢のような夜だったな。」  その言い方がみんなの心に響いた。 月夜見が海斗に名残惜しそうな顔をした。 「摩利彦と月夜見は帰らないの?」 「うん、近くだから、歩いて帰るよ。 また、明日、学校で、な。」  稔彦に声をかけた。まだ、何か仕事があるのか、黒服だった。  今夜は一人? 父も今日はフリーのようだ。 「何か楽しかったね。あの娘たち、綺麗だった。」 (女の子もいいな。いい匂いがした。)  月はそんなことを思った。 「登美ちゃんは翔のためにオシャレしたんだよ。 見せたかっただろうね。  近いうちにディアボラに連れて行こう。」 「翔は海斗が好きなんだって、前に軽音の部室で聞いたことがある。」 「は、めんどくさいな。 月は海斗が気になってるんだろ?」  中々上手くいかないものだ。 「俺、摩利彦を見るタスクの目が気になった。」 「ここは同性愛率が高いな。世も末だ。」  笑ってるとあのご老人が来た。 「おもしろそうだな。若いっていいのぅ。 楽しそうで。」 「じいちゃんたちだっていつも楽しそうだよ。 暇そうで、何の心配事も無さそうだ。」 「ああ、月夜見は、ネットに詳しいかな? この頃ジジイの興味のあるのは クロードミュートなんじゃ。」

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